ハンセン病への差別偏見根絶に全力尽くす 総理

2020年01月29日 07:05

 安倍晋三総理はハンセン病患者と回復者に対する社会的差別の撤廃を訴える「グローバル・アピール2020」であいさつし、かつてハンセン病の元患者やその家族に苦痛、苦難を与えた誤った国策を改めて陳謝。「今後も元患者の方々とその御家族の皆様のお声を聞きながら、差別や偏見の根絶に向け、政府一丸となって全力を尽くす」とあいさつした。

 また「東京オリンピック・パラリンピックを通して、全ての人に尊厳と基本的な自由が尊重される社会の実現に向けて大きく前進する年となるように取り組んでいく」と述べるとともに「全世界の人々がハンセン病について正しく理解し、考え、行動することでハンセン病に対する偏見や差別が大きく解消していくことを祈る」と語った。

 安倍総理は「ハンセン病は感染力が非常に弱く、治療薬も確立され、適切な治療により後遺症なく治る病気」とのべたうえで「我が国では、かつて国の不適切な施設入所政策により、ハンセン病患者・元患者の方々の人権に大きな制限、制約をもたらし、社会的偏見や差別を助長した過去がある。その歴史を反省し、国としてお詫びし、補償や名誉の回復、社会復帰支援の取り組みを行ってきた。昨年には元患者の御家族の方々にも、長年強いられてきた苦痛と苦難に対しお詫びし補償を行うこととした」と国として対応を改め、差別や偏見の根絶に努める考えを述べた。催しには約240人が参加した。(編集担当:森高龍二)