総理、ハンセン病患者家族と面会の機会つくる

2019年07月13日 08:58

 安倍晋三総理は12日、ハンセン病家族国家賠償請求訴訟の判決受入れに当たって「ハンセン病対策の歴史と筆舌に尽くしがたい経験をされた患者・元患者の皆様の御労苦に思いを致し、敢えて控訴を行わない決定をした」と談話を発表した。

 この中で、安倍総理は「かつて採られた施設の入所政策の下で、患者・元患者の皆様のみならず、家族の方々に対しても社会において極めて厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実」と偏見や差別に長きにわたって苛まれて来た事実を認めた。

 そのうえで「この事実を深刻に受け止め、患者・元患者とその御家族の方々が強いられてきた苦痛と苦難に対し、政府として改めて深く反省し、心からお詫び申し上げる」とし「私も家族の皆様と直接お会いしてこの気持ちをお伝えしたい」と家族と面会する機会を設けることを伝えた。

 安倍総理は「確定判決に基づく賠償を速やかに履行するとともに、訴訟への参加・不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償の措置を講ずる」ほか「関係省庁が連携・協力し、患者・元患者やその家族がおかれていた境遇を踏まえた人権啓発、人権教育の普及啓発活動の強化に取り組む」との考えを述べている。安倍総理は「家族の方々が地域で安心して暮らすことができる社会を実現していく」とした。(編集担当:森高龍二)