政府、令和2年度の経済見通し。内需中心の景気回復、2%成長を見込む~閣議決定

2020年01月30日 06:52

画・政府、令和2年度の経済見通し。内需中心の景気回復、2%成長を見込む~閣議決定。

政府は令和2年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度を閣議決定

 世界経済の減速やオリンピック需要のピークアウトなど景気後退の可能性が示唆されている。昨年12月18日に西村経済財政政策担当大臣は閣議了解に際しての談話の中で「令和元年度の我が国経済は、海外経済の減速等を背景に外需が弱いものの、雇用・所得環境等の改善により、内需を中心に緩やかに回復している」とし景気後退の可能性を否定した。

 1月20日、昨年12月に閣議了解された「令和2年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が閣議決定となり、その本文が改めて公表された。本文では引き続き「内需を中心に緩やかに回復している」との現況を示した上で、今後についても「緩やかな回復が続くことが期待される」としている。

 また海外リスクに備えるためにも昨年12月に閣議決定された「総合経済対策」に基づく各種予算で機動的対策を講じ民需主導の持続的な経済成長の実現につなげていく考えだ。こうした政策効果もあいまって来年度の経済は「雇用・所得環境の改善が続き、経済の好循環が進展する中で、内需を中心とした景気回復が見込まれる」とされ、2020年度の実質GDP成長率は1.4%程度、名目では2.1%程度と見込まれている。

 実質GDPの内訳についてみると、消費税の影響で低迷が心配されている民間最終消費支出については「雇用・所得環境の改善が進む中、総合経済対策の効果もあって対前年度比1.0%程度の増加」が見込まれている。

 民間住宅投資については貸家着工の減少傾向の継続により1.9%程度の減少だ。民間企業設備投資については総合経済対策の効果や人手不足への対応等もあって2.7%程度の増加。政府支出については総合経済対策に伴う公共事業関係費や社会保障関係費の増加等により1.8%程度の増加が見込まれている。

 最も懸念されている外需、財貨・サービスの純輸出については、世界経済の緩やかな回復に伴い輸出が増加するとともに国内需要を反映して輸入も増加することから横ばいと楽観的な見通しだ。鉱工業生産についても内需や輸出が増加するとの見通しから2.1%程度の増加とされ、製造業も回復するとの見通しだ。

 この経済見通しは内需主導の持続的回復を見込んでいるが、経済総合対策の効果と海外経済の回復が前提となっている。今後これらの指標がどう動くのか注意が必要だ。 (編集担当:久保田雄城)