外国人の生活環境、「充実させる必要あり」7割超。医療・行政の多言語化など~世論調査

2020年02月04日 07:08

画・外国人教師の視点で見た「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」

内閣府が「外国人の受入れに伴う環境整備に関する世論調査」の概要を公表

 政府は少子高齢化に伴う労働力不足を補う手段として外国人労働者の受け入れを掲げている。昨年2019年4月には改正出入国管理法の施行が開始され本格的に外国人労働者の受け入れが始まったと言える。既に多くの外国人が日本で生活し就労しており、日本に定着してもらうためにも、またトラブルを防ぐためにも外国人の生活環境の整備が急務になっていると言えよう。

 1月17日、内閣府が昨年11月に実施した「外国人の受入れに伴う環境整備に関する世論調査」の結果を公表している。調査対象は全国18歳以上の日本国籍を有する者で有効回収数は1572人だ。

 調査結果の概要によれば、日本で外国人を見かける機会について「10年くらい前と比べて増えたと思うか」と聞いたところ、「増えた」と答えた者の割合は87.7%、「変わらない」8.6%、「減った」1.2%であった。人口統計で外国人の増加は確認できるが国民の実感としても外国人の増加を感じているようだ。

 「外国人が日本で安心して生活できる環境は整っていると思うか」との質問に対しては、「整 っている」が51.2%、「整っていない」38.1%、「わからない」10.7%で、「整っている」が半数超で最も多いが意見は二分していると言える。

 「今後、外国人が日本で安心して生活できる環境を充実させる必要があると思うか」に対しては、「充実させる必要がある」が74.3%と7割を超え、「充実させる必要がない」は16.5%にとどまっている。

 充実させるべき内容については、「在留手続、医療、福祉、出産、子育てなど生活上の様々な内容について外国人が複数の外国語で相談できる窓口の整備」を挙げた者の割合が72.0%と最も高く、次いで「各種行政手続の案内、制度の案内、生活上のルールの説明など外国人の生活に役立つ情報の複数の外国語による提供」64.1%、「災害発生時の外国人への情報発信・支援の充実」59.2%の順となっており、多言語での公共的な情報提供を重視しているようだ。

 この他「日本語教育の充実」53.7%、「適正な労働条件、労働安全衛生の確保」52.3%、「児童の教育の充実」50.8%、「社会保険への加入の促進」50.1%などが5割を超えている。

 国民の多くは多言語による情報提供、日本語等教育、労働環境などの整備・充実が在日外国人の福利向上に資すると考えているようだ。(編集担当:久保田雄城)