まだ寒さがしばらく続くが既にスギ花粉の飛散の時期である。花粉症その他のアレルギーに悩まされている者も少なくないであろう。花粉、チリ、カビ、細菌等、肉眼では見えにくく、床に存在し、空気中に舞い上がりやすくある種のアレルギーを持った人を悩ませる。
こうした人の手では取り残してしまうゴミの総称を「隠れダスト」と呼ぶ場合もあるらしい。この呼称はソフトバンクロボティクスが環境アレルゲンinfo and careとの共同調査を元に独自に定義したものらしい。この問題を調査・研究・提言する環境アレルゲンinfo and careが都内6箇所のオフィスを対象に「隠れダスト」の実態調査を実施し、その結果を3日に公表した。
調査の結果、対象となったオフィスからスギ花粉アレルゲン、ダニアレルゲン、準揮発性有機化合物として、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルなどが検出された。また、ネコを飼育していないオフィスにもかかわらずネコアレルゲンも検出されたという。
また、全てのオフィスからアオカビ、クロカビ以外に、呼吸器に関わる健康被害が報告されている数種類のコウジカビが検出され、公共スペースならではの「隠れダスト」の実態が分かった。特に準揮発性有機化合物は、全オフィスから検出され、これは住居に比べ最大29倍の高い数値が検出されている。さらに住居に多いとされるアオカヒ゛も全てのオフィスで住宅に比べ最大10倍以上の量が検出されている。
細菌は住居に比べ少ないとされていたが、Bacillus属が多く検出された結果となり、オフィス内のダストにも細菌が存在することが確認された。
実験は12月でスギ花粉はまだ飛散されていないはずだが、1箇所のオフィスからはスギ花粉が検出され、前飛散シーズンの掃除の取り残しや早期飛散した花粉の可能性が考えられる。
隠れダストを発色状態で数値化して分析した結果、全体の約60%しか掃除できていない結果が明らかとなった。隠れダストに存在するカビや化学物質などが、発熱や喘息、かゆみなどを起こす可能性もあり、オフィスの花粉症などアレルギー症状で仕事効率が低下させられる。
「隠れダスト」は定期的な掃除である程度の対策になる。さらにムラなく掃除をすることも重要だ。「隠れダスト」は空気中に舞い上がりやすいので「それを予防するため、マスクや空気洗浄機などの対策も有効になる」とレポートでは指摘している。(編集担当:久保田雄城)