新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が起こっている。イタリアをはじめ既に医療崩壊を起こしたのではないかと思われる国もいくつか存在する。世界では感染予防に対する人々の意識が急速に高まっている。日本でも7日、安倍総理は首都圏、関西、福岡県を対象とする緊急事態宣言を発令、対象地域の住民を中心に国民間に緊張が走っている。
6日、日本リサーチセンターが英国YouGov社と提携し世界26カ国27000名を対象にして実施した「新型コロナウイルス(COVID-19)に関するグローバル自主調査」の最新版を公表している。
YouGov社のWEBページに掲載されたレポートによれば、「混雑した公共の場所を避ける」と言う項目では、3月30日現在で日本人の回答割合は64%と調査対象国26カ国で最下位となっている。当初、ヨーロッパ、アメリカなど他の国にでは50%以下で低かったもののパンデミックの進展に合わせ急激に意識が高まり、3月下旬にはイタリアが85%、スペイン83%、イギリスでは80%、アメリカでは77%となっている。
「公共の場でマスクを着用する」という項目に対しては、日本は67%、香港やタイで89%などアジアが高く、英国やドイツは7%とヨーロッパが低い傾向があるが、イタリアは75%と日本より高くなっている。
「仕事に出かけることを避ける」については、日本が9%と唯一10%を下回っており2番目に低いドイツの22%と比べても突出して低くなっている。「子どもが学校等に出かけることを止める」に関しては全体的に高くはないが日本では1%と極めて低く、一方高いのはインドの53%、ベトナムの33%となっている。
「個人衛生面の改善をした」は全体として60%以上と高くなっているが、アジアで当初より高く、欧米では3月中旬から急激に高まっている。日本は66%と最も低くなっているが、日本の場合は元々衛生意識が高かったため改善という点では高い数字がでなかったと推測できる。
「公共の場でモノを触ることを控える」と言うことに関しては、日本は32%と最も低くなっている。アジアでは当初から高く、欧米では3月中旬から急激に高まり、中国では73%、ノルウエイで74%などとなっている。
全体として3月に入り世界では感染予防に対する意識が高まってきた中で日本人の意識が遅れをとっている感が否めない。(編集担当:久保田雄城)