安倍自民総裁「改憲、必ずやり遂げる」と強調

2020年05月06日 15:05

 安倍晋三自民党総裁(総理)は憲法記念日に自主憲法制定を目指す右派系団体の憲法フォーラムにビデオメッセージを送り、憲法への「緊急事態条項」「自衛隊」明記を訴え、「必ずや成し遂げていく。その決意に揺らぎは全くありません」とアピールした。

新型コロナウイルス感染症をめぐる政府の取り組みや自衛隊活動を挙げ、「緊急事態条項」と「自衛隊」の憲法への明記の必要性をアピールしたが、自民党内の求心力を保つためにも必要だったのではとの見方もある。

 新型コロナウイルス対応を改憲議論に結び付けていることには違和感があるとの指摘もでている。加えて新型コロナウイルス感染症の初動対応に党内から対応のまずさを指摘する声は少なからずある。元外務大臣政務官で参院外交防衛問題理事の宇都隆史議員(自民党)は自衛隊情報を伝える週刊紙「朝雲」への特別寄稿で「発生当初、4月の習近平国家主席の国賓訪日を控えていたために、我が国政府も中国に対する渡航制限や入国禁止措置を躊躇し、初動対処が遅れたことは大失態と言わざるを得ません」と政府対応に「大失態」と綴った。

 自民党の石破茂元幹事長は「新型コロナウイルスという未知の敵との戦い」「今回のような未曽有の危機」など表現には「『有事』や『戦争』(国際法上「戦争」は違法とされているので正確には「武力の行使」)という言葉は、あくまで『我が国に対する急迫不正の武力攻撃があった際において使われるもの』であって、あまり汎用性を持って使ってしまうと、事の本質を見誤るように思う」と使用に配慮を求めている。(編集担当:森高龍二)