前川喜平元文部科学事務次官は12日までに検察庁法改正で内閣の判断で検察幹部の定年延長が判断できるようにする狙いについて「アベ政権がこれまで各府省次官など幹部の人事でやってきたことを見れば、検察人事で何をしようとしているかは明らか」とツイッター発信。
前川氏は「自分たちに都合のいい者=自分たちの犯罪を見逃す者を検察幹部に登用しようとしているのだ」ときっぱり、国民が疑惑や懸念している一面を明確に書き込んだ。
前川氏は「定年延長制度は官僚をふるいにかける装置だ」とも。官邸に忖度する官僚が定年延長になる弊害を記し、「いま霞ヶ関の幹部官僚は定年延長者だらけになっているのではないか」と深刻な問題をはらんでいることを記した。
官僚が国民にではなく、官邸を見て忖度する動きの弊害は自民党の元幹事長、石破茂氏も2018年の自民党総裁選挙公約に「内閣人事局の見直し」をあげ「運営方針を見直していく」と明言するほど、各省庁幹部人事を一元管理する『内閣人事局』のマイナス面を浮き彫りにしている。政府が検察官人事に介入し、実効支配するような道筋ができてしまえば、検察の政治的中立は崩壊する。現行の検察庁法改正はまさにこの問題をはらんでいる。
前川氏は「アベ政権との対決姿勢を強める稲田伸夫検事総長が今夏に辞任しない場合、アベ内閣は改正検察庁法により黒川弘務東京高検検事長の定年を延長するのだろう。稲田氏が65歳で定年退職したら、黒川氏を検事総長に任命するのだろう。そのあとは黒川氏が68歳になるまで定年延長すれば(安倍内閣は)万々歳だ」と皮肉った。
そして「稲田検事総長が辞めない場合、アベ内閣は黒川検事長の定年を現行国家公務員法81条の3第2項で再延長するだろう」と予測した。
前川氏は「2022年4月の改正法の施行までは現行国家公務員法により、施行後は改正検察庁法により、黒川氏の定年は自在に延長できる」と指摘し「2025年2月の68歳誕生日まで黒川氏を検事総長に据え置くこともできる。検察庁法再改正で定年を70歳にすれば2027年まで据え置ける」と指摘。
そもそも論でも、前川氏は「黒川氏が普通の常識人なら、これだけ批判を浴びれば自ら身を引くはずだ。辞めるに辞められぬ事情があるのではないか。アベ首相はどうしても彼を検事総長にしたいのだ。彼が政権の傀儡になってくれるからだ。政権を握る者の犯罪はすべて見逃されることになるだろう」と最大の警鐘を鳴らしている。(編集担当:森高龍二)