新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続いている。世界の多くの国はロックダウンなどの強行措置をとり感染の抑制を図っており、既に出口戦略へと向かっている国も多い。
日本においても4月7日、緊急事態宣言が発令されたがこれは強制力を伴うものでは無く国民に協力要請を行うものだ。この緊急事態宣言の中、日本国政府は国民からの信頼を大きく失ったと言える。自粛・休業にともなう補償を出さないことや一律給付金決定の過程でのゴタゴタ、さらにアベノマスクなど国民からの批判と失笑を買う政策が続いた。
エデルマン・ジャパンが4月下旬、世界11カ国、約1万3200人を対象に実施した信頼度調査「2020 エデルマン・トラストバロメーター 中間レポート(5月版):信頼とCOVID-19パンデミック」の日本の調査結果を14日に公表している。
調査結果によると2月に発表された「2020 エデルマン・トラストバロメーター」の調査結果と比較し調査対象国の中で唯一日本だけが政府に対する信頼度が低下している。パンデミックの中で他国では信頼度の記録的な上昇が見られるのに対して日本でのみこの傾向に逆行している。
政府に対する信頼度は11カ国平均で11ポイント上昇し65%となり調査史上初めて最も信頼される組織となった。大きな上昇を見せた国をみると、イギリスが24ポイント、カナダ20ポイント、ドイツ19ポイント、韓国16ポイントなどで、これとは対照的に日本でのみ政府に対する信頼度は5ポイント低下し38%となっている。
日本では中央政府に対する信頼度が35%であるのに対し、地方自治体に対する信頼度は50%で、中央政府よりも地方自治体のほうが信頼されている。また、日本では新型コロナウイルスに関する情報発信では、首相が35%であるのに対して地方自治体のリーダーが52%と、地方のリーダーの方がより信頼されている結果となっている。
エデルマン・ジャパンの代表取締役社長ロス・ローブリー氏は「日本は人口規模に比べて新型コロナウイルスの感染者数と死亡者数が相対的に少ないが、国のリーダーたちはこの点について何の評価も得ていないようだ。それとは対照的に、地方自治体のリーダーがより信頼を得ているのは興味深い。彼らのほうが、人々の日常生活にプラスの影響を与える意思決定を行うことができるからだと考える」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)