金銭を賭けてマージャンをしていたことを認め辞職した東京高検の黒川弘務前検事長に対する退職金について、安倍晋三総理は記者会見で「訓告処分に従って減額されているというふうに承知をしています」と記者団の問いに答えたが、法務省内規による「訓告」処分は退職金に反映する処分ではない。総理はあたかも訓告による減額があるかのような「虚偽」答弁をしたことになる。
弊社は訓告処分報道当初から、退職金に影響することがない「訓告処分にした」と伝えてきたが、森まさこ法務大臣は26日の衆院法務委員会で階猛(しな・たけし)議員(立憲など会派)の質問に答え「訓告を含む監督上の処分を受けた場合には、これらの処分を受けたこと自体により、退職手当の支給額は影響を受けないものと承知している」と『懲戒処分』(免職、停職、減給、戒告)でないため、退職金に影響を受けないと明言した。
自己都合により定年を待たず退職するため、退職金が減額されるのは当たり前の話。訓告処分による減額ではない。また額について、森法務大臣は階議員の質問に「一般論として、定年退職の場合(約6700万円)に比べ、自己都合による退職の場合は約800万円程度低い約5900万円になる」と説明した。
SNS上で元特捜部主任検事の前田恒彦氏は「退職金の支給率はもともと定年退職よりも自己都合退職のほうが低く設定されている。訓告だから減額されたわけではなく、単に自己都合退職だから定年退職よりも低くなっただけの話」と発信した。総理には法的根拠に基づく正確な答弁が求められる。(編集担当:森高龍二)