新型コロナウイルス禍の影響は、さまざまな業界に大きな影響を与えている。飲食店もさることながら、不動産や住宅施工メーカーなども「企業活動への影響」は避けられない状況だ。
そのような中で、木造注文住宅を手がける中堅住宅メーカーのアキュラホームは新たな取り組みとしてZOOMを使った公開実験を行った。今回新たに基盤商品として、新世代木造SE「大空間の家」を発表した新商品の性能を実証したのである。
この新商品は、木造住宅のイメージを変える外観と室内空間デザインを実現しながらコストを抑え、30.05坪の2階建3LDKで1547万円(税込)からという価格設定。これは近年、住宅設計において高性能・高機能化を追及した結果、価格転嫁が進んで高価格化したことを反省し、適正なスペックの住まいを従来に比べてリーズナブルな価格で提供するというアキュラホームの新提案、ひとつの回答といえる住宅だ。
その商品の機能を、ZOOMを用いて、ライブ中継で実験状況を見せたのだ。そのネット配信したライブ映像に、5706名の一般消費者が視聴し、リモートワーク&プロモーション時代の新たな情報提供・販促手法として注目が集まった。
ライブ中継した実験は、同社は、耐力壁の強さを証明すべく実施した「新世代木造はどこまで強い?」と題した実証である。具体的には、木造在来工法の一般的な「筋交い」「スチールレース」「合板による耐力壁(2×4)」の3種の耐力壁を各2枚×3組、計6枚合わせた従来型耐力壁と、新開発「トリプルストロングウォール」(構造耐力性能評価取得)1枚の強度を比較した。
従来耐力壁6枚組に対して、61kN(約6トン)の引っ張り荷重を大型重機で与えると、6枚組の強固なはずの従来型耐力壁が破損する。ところが「トリプルストロングウォール」は僅か1枚で81kN(約8トン)の荷重まで耐えた。つまりトリプルストロングウォールを使えば、壁の面積を6分の1まで減らしても、強度が上回っているということだ。7倍の耐力壁という、触れ込みに間違いはなかったというわけだ。
実験後、ライブで同社の宮沢俊哉社長は、「コストを掛ければ高機能耐力壁は出来るし、他メーカーにもある。私どもはこれを普及価格で達成させた」と自信に満ちた表情で語った。
アキュラホームは、これまでも日本の住宅の適正価格化を実現してきたメーカーだ。東京都が「価格引下げを実現することによって、市場の競争原理を働かせ、広くて質が良く低廉な戸建住宅の供給を促進する」というコンセプトの戸建住宅の価格引下げ実証実験に参画し、申し込み最高倍率を記録するなど、高品質で適正な価格の住まいの供給を推進してきた。今回、さらなる高性能・低価格化を目指して、新世代木造SE「大空間の家」でも低コストで開放感のある高剛性住宅を提供している。(編集担当:吉田恒)