持続化給付金の業務委託先選定で、Aランクの「デロイトトーマツファイナンシャルアドバンザリー合同会社」とCランクの「サービスデザイン推進協議会」の2社が競争入札し、政府はランク下の「サービスデザイン推進協議会が総合評価で高かった」と国会答弁。
梶山弘志経産大臣は入札価格の情報開示に対して「デロイトトーマツが開示を拒否している」としたが、国民民主党の斉木武志衆院議員は3日の衆院経済産業委員会でデロイトトーマツから直接話を聞いたとして「(同社は)経産省や中小企業庁から価格公表について尋ねられていない、と話していた」と、大臣答弁に強い疑問を投げた。
斉木議員は「入札調書が出てきたが、黒塗りだ。デロイトトーマツファイナンシャルアドバンザリー合同会社と一般社団法人サービスデザイン推進協議会が応札し、税抜き695億円でサービスデザイン推進協議会が落札した。デロイトトーマツはいくらで提示したのか。黒塗りだ。もしもデロイトトーマツの方が安い値段で落選していたとすれば、これは『電通ありき』といわれても仕方ない」と指摘。
そのうえで「デロイトトーマツの方が、応札が安かった、ということはないのか」と質した。これに梶山大臣は「デロイトトーマツから了承を得ていないので公表できない」と答弁。斉木議員は「デロイトトーマツに話して、入札価格を開示してください」と要求。梶山大臣は「2度確認したが、公表していただきたくないということだった」と答弁。
この答弁に斉木議員は自身が「デロイトトーマツに確認した」とし、「経産省や中小企業庁から価格公表について尋ねられていない、と話していた」と反論。梶山大臣は「デロイトトーマツは社長まであげたうえでの結論」と強調したが、斉木議員は「デロイトトーマツは聞かれていない、と言っている」と確信を持って追及。
そのうえで「公正さ、公平性、透明性を確保するために、入札価格を公表してよいか、大臣が聞き、(デロイトトーマツが)『いいよ』といってくれれば公表できる」のだから、大臣が聞くようにと強く求めた。落札経緯などサービスデザイン推進協議会を巡っては不透明なところが多く、不信を生んでいる諸々の点について、国民の前に明らかにすることが求められる。(編集担当:森高龍二)