「官房機密費」でも領収書さえ不要な「政策推進費」。安倍政権は毎月約1億円を使っていたことを日本共産党の機関紙「赤旗」が報じた。
2012年12月の安倍政権発足時から昨年12月までに使われた官房機密費は「86億3100万円」。このうち「政策推進費」が78億6730万円にのぼっていたことをつたえている。
官房機密費を巡っては2018年1月に最高裁第2小法廷が内閣官房への協力者の氏名が明らかになれば情報収集活動に支障が出るとの考えを示したうえで『月ごとの支払い合計額や年度末の残高などがわかる文書では情報協力者を特定することは困難で、公開しても、その後の情報収集に支障がない』とし、これらについては公開するように命じている。
官房機密費の情報公開の在り方については、民主党政権時代、当時の藤村修官房長官が透明化に向け苦慮しながらも私案を示す段階にまで漕ぎつけていた。
藤村氏は「総理官邸分の内閣官房報償費については、支払い相手の名前、名称、支払い目的など具体的な支出に関わる情報は極めて秘匿性の高い機微な情報であるため、将来の活動にも支障をきたすおそれがあり、一定期間後であっても公開に適さない」とした。
その一方で「会計手続き上の支払い決定月日や支払額については、さまざまな憶測を呼ぶデメリットはあるものの、透明性確保の要請を踏まえれば、一定期間後は整理のうえ、公開することは可能ではないか」と述べ「会計手続き上の支払い決定月日や支払額については官房長官が文書に取りまとめ、一定期間経過後に公開すること」を提案していた。自公政権に政権が交代してしまったため、頓挫したが、官房機密費といえども、税金である以上、改めて、藤村氏提案をふまえて検討することが強く望まれる。(編集担当:森高龍二)