官房機密費 官房長官は公開基準を定め、公表を

2018年01月21日 14:28

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内閣官房機密費をめぐり、司法の判断が19日、最高裁第2小法廷であった

 内閣官房機密費をめぐり、司法の判断が19日、最高裁第2小法廷であった。内閣官房への協力者の氏名が明らかになれば情報収集活動に支障が出るとの考えを示したが、支払先が記入されていない一部文書の開示については公開するよう命じた。

 官房機密費は内閣官房長官の判断で国政上必要な情報収集活動などに使えるが、目的や支払先を明らかにすれば、その後の情報収集に支障が出るなどとして使途は明らかにしていない。

 今回、大阪の市民グループが、安倍晋三総理が官房長官をしていた時期の官房機密費の文書公開を求め裁判に訴えてきた。

 最高裁は19日、月ごとの支払い合計額や年度末の残高などがわかる文書では情報協力者を特定することは困難で、公開しても、その後の情報収集に支障がないと判断し、これらについては公開するように命じた。

 菅義偉官房長官は最高裁判決を受け、19日午後の記者会見で「詳細については報告を受けていないが、政府として判決を重く受け止めている」とし「適切に対応したい」と述べた。

 官房機密費の情報公開については、民主党政権時代、時の藤村修官房長官が透明化に向け苦慮しながらも私案を示す段階にまで漕ぎつけていた。

 そこでは「報償費(官房機密費)の機能維持と透明性確保の両立は大変難しい課題だ」とし「総理官邸分の内閣官房報償費については、支払い相手の名前、名称、支払い目的など具体的な支出に関わる情報は極めて秘匿性の高い機微な情報であるため、将来の活動にも支障をきたすおそれがあり、一定期間後であっても公開に適さない」とした。

 一方で「会計手続き上の支払い決定月日や支払額については、さまざまな憶測を呼ぶデメリットはあるものの、透明性確保の要請を踏まえれば一定期間後は整理のうえ、公開することは可能ではないか」と提起した。

 藤村氏は「具体的には、官房長官の決定で会計手続き上の支払い決定の月日や支払額を取りまとめた文書を、一定期間の経過後に公開することとしてはどうか」と結論付けた。

 ただ、この透明性を巡る議論は、民主党政権が続いていれば結論を出すに至ったかもしれないのだが、総選挙で安倍政権になったことから頓挫してしまった。

 今回の最高裁判決を機に、官房長官は官房機密費の可能な限りの透明性確保に向けて分かりやすい公開基準を設定し、公開基準を公表するとともに、これに基づく文書・資料はオープンにするよう菅官房長官に要望したい。(編集担当:森高龍二)