5月25日に東京都をはじめとする5都道県の緊急事態宣言が解除されたことで、日本全国での新型コロナウイルス対策は日常生活の中で感染防止を最大限に心がけるWithコロナ時代に移行した。6月1日からは小中学校なども再開され、普段通りの生活リズムが少しずつ戻りつつある。
しかし、日本よりも一足先に経済活動を再開させた韓国や中国の武漢で、再び集団感染が報告されている事例などもあることから、感染爆発の第2波がやって来る可能性も拭いきれず、まだまだ気の抜けない状況だ。
そういった懸念もあり、緊急事態宣言は解除されたものの、中には感染リスクを避けるために在宅勤務やリモートワークを継続している企業も多い。また、感染爆発の第2波、第3波が起こってしまって、再び緊急事態宣言が発令された場合でも対処できるように、リモートワークの体制の見直しを検討している企業も増えているようだ。リクルート住まいカンパニーが今年4月にWebで行った調査によると、テレワーク導入率(対象は会社員・公務員)は47%となり、昨年11月時の17%から飛躍的に増加したことが分かった。良くも悪くも、日本人の働き方は今後、新型コロナによって大きく変わった。
在宅勤務が増えたこと、そして今後も継続される見込みが高いことを受け、住宅メーカー大手の積水ハウス株式会社が大変興味深い調査結果を発表した。
積水ハウスの住生活研究所は、全国の小学生以下の子どもがいる20〜49 歳の男女 300 名を対象に緊急アンケート調査「在宅中の家での過ごし方調査」を5月に実施。その結果をみると、「在宅時間が増加したことでストレスが増えた」と回答した人は全体で60.7%にのぼることが分かった。ところが、その一方で、現在在宅勤務中の人のうち、86.4%が今後も在宅勤務をしたいと回答しているという。
また、ストレスを感じていると答えた割合は、男性が51.3%、女性が70.0%となっており、男性よりも女性の方がストレス増加傾向が高くなっている。女性の方に家事の負担が多くなってしまっていること、夫や子どもが在宅していることで、食事の用意など、負担がさらに増加していることが主な原因のようだ。ちなみに「在宅勤務で良かったと思うこと」という質問に対しては「時間に余裕が持てる」(50.0%)、「家族とのコミュニケーションが増えた」(39.8%)などがあるが、女性のストレスが軽減されれば、こういったメリットをもっと感じられて、家族と過ごす時間を喜ぶ割合も増えるのではないだろうか。
同社の住生活研究所は、これらの調査結果をふまえて、家族が⼀緒に過ごすことが多いこの時期は、家族全員で楽しみながら家事に取り組む「みんな家事」の意識が大切だと提案している。例えば、同じ食卓を囲むことに加え、キッチンで家族一緒に食事をつくれば、家事をシェアしながら、コミュニケーションの機会にもなる。同研究所の調査では、25.3%の人が、外出⾃粛期間中に幸福度が上がったと答え、そのうち80.3%の人は配偶者とのコミュニケーションが増えたと答えている。家族間のコミュニケーションが多い⼈は幸福度が⾼い傾向あり、こうした家族との「つながり」が幸福度を上げる要素になっているという。家事は、自分が家族に貢献できているという喜びを感じる機会でもあるようだ。
これからのWithコロナ時代、「コロナ離婚」なんてことにならないためにも、そして大切な家族がいつも笑顔で同じ時間を過ごせるためにも、世のお父さんたちにはとくに、家族みんなで協力して家事を進めてもらいたいものだ。(編集担当:藤原伊織)