インターネットへの接続はかつてのパソコン経由からスマートフォン経由によるものがシェアを高めている。青少年でのスマートフォン普及率も高くなってきている。そこでは当然インターネット・リテラシーの問題が重要となり、青少年に対するインターネット・リテラシー教育は重要な課題だ。
17日に総務省が「2019年度・青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」を公表している。報告書では「スマートフォンが急速に普及し、インターネットがますます青少年にとって身近になる中、青少年がインターネットを安全に安心して活用するためには、インターネット・リテラシーの向上が必要」としている。
報告書によれば、1)違法コンテンツや有害コンテンツに適切に対処する能力、2)情報を適切に読み取ったりコミュニケーションをとったりする能力、3)プライバシー保護やセキュリティ対策を適切に行う能力、という3つの能力を示すILAS(インターネット・リテラシー指標)の19年の正答率は68.7%で過去4年間の平均68.8%と大きな差は無い。インターネット接続機器として高校生の97.5%がスマートフォンを保有しており、利用頻度も高校生の92.5%がスマートフォンをトップにあげている。
平日の平均利用時間は2~3時間の割合25.1%と最も多く、約8割が2時間以上利用しており昨年度の約7割と比べ長くなっている。高校生の74.7%が一定程度フィルタリングを認知しており前年度より増加傾向で、この内45.2%がフィルタリングを利用している。フィルタリングのイメージは74.7%が「有害なサイトやアプリの閲覧を制限し、安心にインターネットを使うことを可能にしてくれる」と肯定的に捉えている高校生が多数派のようだ。
フィルタリングの利用状況を家庭のルールの有無でみると、「家庭のルールがある」では利用率が53.7%であるのに対して、「家庭のルールがない」では30.5%にとどまった。報告書では「青少年のスマートフォン(インターネット)の安全・安心な利用に関しては、利用時間の管理、フィルタリングやペアレンタルコントロール機能に係る適切な情報の周知・普及、家庭でのインターネット利用に係るルールづくり等が重要な課題である」と結論づけている。(編集担当:久保田雄城)