日米安保条約 独立国と言い難い義務負う日本

2020年07月28日 06:15

 自民党の石破茂元幹事長は集団的自衛権に関して触れたコラムの中で、日米安保条約について「国家主権の要素である領土(領域)を他国に自由に使わせるような(条約上の)『義務』を負う国家は完全な独立主権国家とは言い難い」と日本の立場が、この条約において『独立主権国家とは言い難い』と日本としては悩ましい問題(原点ともいうべき問題)を提起した。

 日本は米国に米軍基地を提供する。そのかわりに米国は日本が他国から侵略された場合、共同して日本を守る。他方、同盟国である米国が他国から攻められても日本の存立危機につながるものでない限り共同して戦う義務はない。日米安保条約の片務性が指摘される所以がここにある。

 石破氏は「平和安全法制で限定的に行使可能となった集団的自衛権の態様も包含した安全保障基本法を制定し、集団的自衛権行使を原則的に国際法と同様に認め、かつその行使の要件について厳格に制限する。これは日米同盟の信頼性と持続可能性の強化、アジア太平洋地域の集団安全保障体制の構築のためには必要不可欠」と訴えている。

 石破氏は「本来、イデオロギーや保守・リベラルのような政治的な立場とは何の関係も無いことで、そうであるが故に、右の立場からも、左の立場からも関心を持たれず、理解されにくいのかもしれません。発言の仕方にも、常に十分な注意が必要であることを再認識させられている」と書いている。(編集担当:森高龍二)