衆院議席勢力、与党7、野党3の極端な現況勢力図をどこまで巻き返せるのか、あるいは安倍政権への不満の世論をどこまで呼び込み、政権奪取に近づくか、次期、総選挙は国民のための「大きな選択機会」にしなければならない
立憲民主党の枝野幸男代表が合流を是とする国民民主党議員らでつくる新党との合流に向け、政権奪取のための「合流新党」を9月上旬にも結成する。
今月13日の党両院議員懇談会で意向を表明した。枝野氏は「政権奪取へ、大きな一歩を踏み出したい」と政権奪取を鮮明にした。衆院解散・総選挙は最短、今秋10月25日投開票、最長でも1年以内にある。
衆院議席勢力、与党7、野党3の極端な現況勢力図をどこまで巻き返せるのか、あるいは安倍政権への不満の世論をどこまで呼び込み、政権奪取に近づくか、次期、総選挙は国民のための「大きな選択機会」にしなければならない。
小選挙区で与党候補と野党候補が「1」対「1」で戦える構図を作ることが政権選択選挙(衆院議員選挙)として、国民のために最も大事だ。今回の枝野氏の国民民主党への呼びかけ、国民民主党・玉木雄一郎代表の判断にはそうした視点から評価されよう。
玉木氏は合流に党内議員の賛否の思いを汲み、合流賛成派と異論を有する議員の両者の姿勢を前へ進めるため、一旦、党を「解党」し、合流賛成派が合流に向けた新党をつくる。そのうえで「合流新党」に入る。一方、異論ある議員らは「国民民主党」を新設し、玉木氏はこちらに身を置く考えを示した。
もともと、こうした党内交通整理しか選択肢はなかったのではないか、と思われる。時間との闘いの中、こうした判断を示したことから「政権奪取への芽が出てきた」。
新党には立憲所属議員のほか、国民民主からの合流、野田佳彦元総理、岡田克也元副総理らでつくる院内会派・社会保障を立て直す国民会議所属議員も参加の見込み。社会民主党も新党との連携にはこれまで以上にし易くなると見込まれる。日本共産党も選挙協力での連携が、合流新党の綱領案からみて従前よりしやすくなるのではないかとも期待される。
合流新党綱領案は「立憲主義と熟議を重んずる民主政治を守り育て、 人間の命とくらしを守る、国民が主役の政党」。「政官財のしがらみから脱却。政治と行財政の適切な改革を着実に実行」「公文書管理と情報公開を徹底し、透明で公正な、信頼される政府の実現」「分散型エネルギー社会を構築し、原子力エネルギーに依存しない原発ゼロ社会を一日も早く実現」と掲げる点は安倍内閣と明らかに対峙する新党になる。
合流新党は発足次第、「マニフェスト(選挙公約)」を作成し、社民、市民連合、共産と連携した「小選挙区対策」に取り掛かり、政権奪取へ臨戦態勢に入ることが本気度を示すことになる。(編集担当:森高龍二)