経験者多用し、派閥・無所属にも配慮の組閣

2020年09月17日 06:09

 菅義偉内閣の顔ぶれが決まった。菅総理は自民党総裁に決まった際、「国民のために働く内閣をつくる」と強調した。経験者を多く起用する一方で、派閥や無所属議員への配慮をにじませる登用になった=文中敬称略=。

 顔ぶれをみると、副総理・財務大臣に麻生太郎(麻生派)、法務大臣に上川陽子(岸田派)、外務大臣に茂木敏光(竹下派)、文部科学大臣に萩生田光一(細田派)、厚生労働大臣に田村憲久(石破派)、経済産業大臣に梶山弘志(無派閥)、国土交通大臣に赤羽一嘉(公明党)、官房長官に加藤勝信(竹下派)、行政改革・規制改革担当大臣に河野太郎(麻生派)、総務大臣に武田良太(二階派)、環境相に小泉進次郎(無派閥)、経済産業大臣に梶山弘志(無派閥)、経済再生担当大臣に西村康稔(細田派)、五輪担当大臣に橋本聖子(細田派)の各氏を登用したところでも、無難にこなすことを優先したように見受けられる。

 一方で、派閥、無所属議員への配慮のあとが、この顔ぶれからもうかがえる。加えて、安倍晋三前総理の実弟にあたる岸信夫を防衛大臣に任命するなど、安倍晋三が総理辞職後の安保政策を特に気にしていることへの配慮が色濃くうかがえる組閣になった。菅総理が目玉にしたデジタル改革担当大臣には岸田派の平井卓也を起用した。

 このほか、農林水産大臣に野上浩太郎(細田派)、復興大臣に平沢勝栄(二階派)、国家公安委員長に小此木八郎(無派閥)、一億総活躍担当大臣に坂本哲志(石原派)万博担当大臣に井上信治(麻生派)を充てた。(編集担当:森高龍二)