新型コロナ感染症パンデミックの中、世界各国でロックダウンが実施され外出自粛が世界の人々の一般的な生活スタイルとなった。その中でテレワークの普及も格段に広がり、これにともなって世界のデータ通信量も急増したようだ。
また、人との接触の回避が推奨されたことからSNSなどソーシャルメディアが人々の主要なコミュニケーション手段となり、その利用者も飛躍的な伸びをみせたようだ。このためソーシャルメディアに出稿している広告へのアクセスも増大しソーシャルメディア広告の市場も急拡大している模様だ。
16日に市場調査業のグローバルインフォメーションが市場調査レポート「ソーシャルメディア広告の世界市場 (2020~2030年):新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響と成長」を公表している。
レポートによれば、ソーシャルメディア広告の2020年の市場規模は1026億6000万ドルと推計され、2019年の864億1000万ドルに比べ18.8%増の伸び率で成長する見込みだ。この急激な成長の背景は新型コロナ感染症の封じ込め対策の中でデジタルコンテンツの利用が増大し、ソーシャルメディア上での必需品や健康・衛生関連商品等の広告が増大したことによるものと推測されている。
さらに今後市場は年平均成長率29.12%で伸び続け、23年には2210億1000万ドルにまでに達するとレポートでは予測している。地域別にみると19年の最大の市場は北米だが、今後アジア太平洋地域での急成長が見込まれている。
インターネットの普及とそれに伴う利用者の増大がソーシャルメディア広告市場の成長に貢献してきた。19年の全世界のインターネットユーザー数は43億8000万人で、総人口の57%に達している。これにともない19年1月のソーシャルメディア利用者数は前年比9%の34億8000万人に達している。今では逆にソーシャルメディア利用者数の増加がインターネットの普及率を上昇させており、ソーシャルメディア広告市場を拡大する要因になっているとも言われている。
フェイクニュースなどの問題もあり各国政府はソーシャルメディアへの規制を強化する傾向があり、これが広告会社の円滑な運営・機能を難しいものにしているという側面もある。今後はVRやARなどの新しいテクノロジーをどのようにプラットフォームに組み込み市場の成長を維持して行くかがカギとなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)