2018年の情報通信白書によれば15年にスマートフォンの普及率が70%を超え、17年にはパソコンの保有率を超えている。現在では人々がインターネットにアクセスするツールのトップはスマートフォンであろう。ツールのシェアが変化すればSNSのシェアも大きく変化していくと考えられる。
7月29日、ICTマーケティング・コンサルティング業のICT総研が「2020年度 SNS利用動向に関する調査」の結果を公表している。レポートによれば、日本におけるSNS利用者の数は15年には6488万人であったものが19年には7786万人と推計されている。ネット利用人口に対するSNS利用者の割合をみると15年が65.3%で19年には78.2%と8割近くに達している。当初はSNS利用者の中心は20代以下の若年層が多かったがSNSの利用が普及するに従い40代以上にも波及しており登録者数・利用者数ともに増加傾向が見られる。
ICT総研は7月4400名を対象にアンケート調査を実施、回答者のうち8割以上の者が「人とのコミュニケーション」を行う目的でSNSや通話・メールアプリを利用していると回答している。利用しているサービスの内訳を見ると、LINEが77.4%と8割近く断トツでトップ、次いでTwitterが38.5%、Instagramが35.7%、YouTube23.2%、Facebook21.7%、TikTokが8.1%、Skypeが7.1%という順になっている。前年の調査結果と比較するとLINE、Twitter、YouTube、Facebook、Skypeの利用率は減少しており、一方TikTokの利用率は昨年から1.0%増加しSkypeの利用率を上回った。Instagramの利用率はほぼ横ばいとなっている。
SNSを利用する理由を見ると「知人の近況を知りたい」43%が断トツで多く、次いで「人とつながっていたい」が33%、「自分の近況を知ってもらいたい」24%、「写真などの投稿を見てもらいたい」23%、「自分の行動記録を残しておきたい」21%、「仕事やビジネスで連絡を取りたい」20%、「『いいね』などのリアクションが欲しい」17%、「仲間はずれにされたくない」5%の順になっている。自己表現より他者との繋がりを重視しているようだ。利用者満足度ではInstagramが81.2ポイント、YouTube80.8、LINE79.1、TikTok78.5、Twitterが78.0で約8割が満足している。Facebookは73.5ポイントだ。
通信技術、モバイル・ツールの発展によってますますSNSは重要なコミュニケーション手段になりそうだ。(編集担当:久保田雄城)