日本共産党の志位和夫委員長は日本学術会議会員任命に関して菅義偉総理が「総合的、俯瞰的に判断」などと日本学術会議推薦の6人を政治的意図から任命しなかった疑念が深まる中、いまだに説明しないことに、日本学術会議元会長の大西隆氏の発言をツイッターで紹介し「首相よ、(大西氏の)この声にどう答える?」と合理的な回答ができるのか、回答するよう求めた。
大西氏は「6名を任命しなかった理由が明かされていないことが一番の問題だ」としたうえで「任命しない場合は、首相は理由を説明する必要がある。選考基準が明確なだけに、理由が分からない場合の弊害が大きい」また「学術会議は今後、どのように新会員を選ぶべきかが分からなくなる」と重大な問題を提起している。
また志位氏は「滝川事件、天皇機関説事件等、学問の自由の圧殺の行き着いた先は、毒ガスや生物兵器の開発、人体実験、原爆の開発、国民総武装兵器の開発など、科学の戦争への総動員だった。その反省のうえに、憲法に『学問の自由』が明記され、日本学術会議が設立された。歴史の過ちを繰り返してはならない」と憲法において「学問の自由」が保障されている意味や日本学術会議設立の原点を見つめ、政府が真摯に向き合うように求めた。
また「科学では『多数決』でなく、実験・実証・論理等で学説を検証し、真実を追求する。この点で、最終的には『多数決』で決定していく政治とは異なっている。だからこそ学問の自由が必要だ。政治が科学を支配下に置けば国を破滅に導く。歴史の教訓です」と今回の政治介入に警鐘を鳴らす。(編集担当:森高龍二)