「イクメン」という言葉も広まり、また今年1月には小泉環境大臣が育児休業を取得する意向を表明するなど男性の育児休業取得への関心が高まっている。政府内でも男性の育休取得の義務化が検討されているようだが、人手不足を理由に経済界からの消極的な意見もあるようだ。
16日に連合(日本労働組合連合会)が「男性の育児等家庭的責任に関する意識調査」の結果レポートを公表している。この調査は、2020年10月26日から28日に未就学の子どもがいる全国の20~59歳の働く人1000名を対象に実施されたものだ。
レポートの中で育児休業取得に関するアンケートが行われているが、これによれば、育児のための休業・休暇として「育児休業」を取得した者の割合は、女性が64.4%に対して男性では13.4%にとどまっている。男性での内訳は「年次有給休暇」の40.0%が最も高く、次いで「配偶者出産休暇」が28.8%、「子の看護休暇」15.4%、「育児休業」13.4%、「振替休日・代替休暇」13.0%と続いている。一方、女性では「育児休業」の64.4%が最も高くなっている。男性では育児・介護休業法で定められた「育児休業」を利用した者は少数派で、多くは年休取得というかたちを取っているようだ。取得日数についても、女性では「6ヵ月超1年以内」47.5%に最も多くの回答が集まったのに対して、男性では「1週間以内」が49.3%と半数近くになっている。
「自身の勤め先は育児休業を取得しやすいか、取得しにくいか」を聞いた結果では、「取得しやすい」は56.6%、「取得しにくい」は43.4%となっている。男女別に見ると、「取得しにくい」と回答した者の割合は女性が29.2%であるのに対して男性では57.6%と、男性のほうが28.4ポイント高くなっており、男性の6割近くが「取得しづらい雰囲気がある」と感じているようだ。
「育児休業等を取得しようとして勤め先に断られたことがあるか」と聞いた結果では、「ある」が12.5%、「ない」は87.5%となっている。男女別に「ある」と回答した者の割合を見ると、女性が10.2%に対して男性は14.8%となっており、男性のほうがやや高くなっている。
男性の育休取得向上のために必要な対策を聞いた結果では「社内周知」の34.2%が最も高くなっており、未だ認知率が低いことも取得しづらいことの背景にありそうだ。(編集担当:久保田雄城)