国保料引下げ等の請願 参議院厚労委に付託

2011年11月28日 11:00

 国民健康保険料が自治体によって、年収300万円の4人家族で40万円以上にのぼる重負担になるなど高すぎることから保険料を支払えずに自殺者が出たり、保険証をとりあげられ病院にかかれずに手遅れになって死亡するなど痛ましいケースが発生していることから、国保料(税)の引下げと保険料を納付できない人に対し保険証の取り上げを義務付けている国保法の改正を行い、生活困窮者から保険証を取り上げないよう求める請願が参議院厚生労働委員会に25日付託された。

 紙智子参議院議員(共産党)が紹介議員となって今月14日に請願した。請願によると、札幌、福岡、京都、大阪などでは国保料が年収300万円の4人家族で40万円以上になっているという。このため収納率は88%に下がっている。

 国保料が高くなった理由として紙議員は国保会計の国庫負担割合を自民党政権時代に50%から25%に引き下げたことを最大要因にあげ、民主党政権においても「国保立て直しに9000億円を充てるとしていたが果たされていない。4000億円を投入するだけで1人1万円の引き下げが可能」として直ちに具体策をとるよう求めている。

 国保料が払えないために保険証をとりあげられた世帯は30万世帯を超えており、そのために病院にかかれず手遅れになるケースが生じている。早期に治療ができないためにかえって治療費が嵩み、患者の負担を重くしており、生活困窮者への対応に政治的決断が求められている。

 政府は保険料を払えるのに払わないことが証明された場合以外は保険証の取り上げには慎重な対応を求めているということだが、命に直結する問題だけに早急な改善策が必要だ。(編集担当:福角忠夫)