「東京モーターショー2011」に、住宅メーカーとしては初めて、積水ハウスが出展することが発表され、話題になっている。
今回同社が提案するのは、既に商品化されている太陽電池・燃料電池・蓄電池の3電池を搭載した世界初の住宅「グリーンファースト ハイブリッド」にEVを加えた究極の”エナジーフリー”を実現するスマートハウス。大幅な節電を実現し、さらには停電時でも家庭内で電力を確保でき、EVにも充電が可能という、家もクルマもエネルギーコストがゼロになる2015年の近未来の生活シーンを想定し、「3Dプロジェクションマッピング(目の錯覚などを利用して様々なビジュアル効果を可能にする映像技術)」を用いて、家とEVの新しい関係を演出する。
さらに、体験ゾーンでは、スマートハウスには欠かせないシステム「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」の展示を行う。今回展示される「HEMS」は同社がオリジナルで開発したもので、既に商品化されている”電力の見える化”による住まい手の省エネ行動を促進することに焦点を置いたものとは違い、”3電池+EVの電力供給”と”消費や蓄電機能を管理する”スマートハウスの頭脳と言うべきもの。そして、この「HEMS」は期待される低炭素社会に向けて必要な機能を備えており、スマートハウス、やがてはスマートタウン・スマートシティ実現への重要なピースとなるものだ。
それを裏付けるように、現在「HEMS」の普及に向け、官民の動きも慌ただしくなっている。
民間企業では今年の7月、東京電力を事務局に据え、KDDI、シャープ、ダイキン工業、東芝など10社により「HEMSアライアンス」が発足した。こちらは、複数の企業の機器を1つの「HEMS」で作動させるための枠組みやガイドラインを決め、その普及を目指すというもの。
また11月7日には、官民合同の研究会として「スマートハウス標準化検討会」がスタート。こちらは、住宅メーカー、自動車メーカー、電機メーカーなどで構成されており、積水ハウスや日産、NECをはじめ20社以上がメンバーだ。事務局は経済産業省が務め、「HEMS」や「スマートメーター」普及に向けた規格標準化を目指している。
このように、スマートハウス関連の市場が大きく動き出そうとしている今、より具体的な形で疑似体験ができる積水ハウスのブースは住宅とクルマ産業を繋げる大きな一歩として注目したい。