農水省の調べで2019年4月~20年3月までに農薬使用により人に対する事故が11件(23人)、農作物や魚類に対する被害が15件発生していたことが分かった。26日発表した。使用後の余った農薬を飲料用容器に入れたために誤飲したケースもあった。
人的被害の内訳では、土壌くん蒸剤(クロルピクリン剤)を使用した時に、被覆をしなかった又は何らかの理由で漏洩した事故が5件、農薬の調製や散布時にマスクやメガネなどの防護装備が不十分だったものが3件、農薬をペットボトルの飲料品の空容器に移し替えたため、誤飲したケースが2件、強風中や風下での散布等、自らの不注意で本人が暴露したケースが1件だった。
農作物や魚類への被害原因では「余った農薬希釈液を河川につながる側溝に廃棄した」「農薬の散布機器等の洗浄液が河川に流入した」などだった。
農水省では(1)土壌くん蒸剤を使用した際は適正な厚さの資材を用いて被覆を完全に行うこと(2)農薬の調製又は散布を行うときは農薬用マスク、保護メガネ等の防護装備を適切に着用すること(3)農薬やその希釈液、残渣等をペットボトル、ガラス瓶等の飲料品の空容器等に移し替えないこと(4)農薬を施錠された場所に保管すること(5)農薬が飛散しないよう風向等に注意し、強風時の散布は控えること(6)飛散が少ないと考えられる剤型を選択したり、飛散低減ノズルを使用するなど飛散防止対策を十分に行うこと(7)使用残農薬や不要になった農薬を廃棄物処理業者に依頼するなど適正に処理するよう、呼び掛けている。(編集担当:森高龍二)