気象庁は19日、海洋生態系に大きな影響を与えることが懸念される『海洋酸性化』の状況について調査した結果、日本近海では世界と同程度の速さで海洋酸性化が進行していることが分かった、と発表した。
気象庁によると化石燃料の燃焼などにより人為的に大気中に排出された二酸化炭素のおよそ30%は海洋に吸収されています。二酸化炭素が海水に溶けることで、長期的に海水のpHが少しずつ低下(酸性化)し、サンゴや貝類などの海洋生物が炭酸カルシウムの骨格や殻を作るのを阻害されるなど、生態系に大きな影響を与えることが懸念されている、として警鐘を鳴らしている。
気象庁は日本南方、関東沖、北海道周辺・日本東方、日本海、九州・沖縄の5海域に分けて調査したが、いずれの海域でも海面付近で酸性化が進んでいるとし、日本近海で平均すると1988年から2020年にかけて10年あたり約0.02の速度でpHが低下していることが明らかになった、という。(編集担当:森高龍二)