コロナ禍で経済の停滞が続いているが、小売・飲食、観光業など最終消費関連の落ち込みが大きい。小売業は全体として低迷しているものの業種、業態、品目によって大きな格差がある。日用品を取り扱うスーパーとコンビニでも格差は歴然としている。自粛ムードやテレワーク普及などによって巣ごもり需要が堅調なためスーパーマーケットは好調のようだ。一方、コンビニエンスストアは新型コロナ流行以来、長期にわたって減速傾向だ。テレワーク普及によるビジネス街や自粛ムードでの観光地の店舗の業績不振が全体の業績を特に押し下げている模様だ。
3月22日、日本フランチャイズチェーン協会が2月のコンビニエンスストア統計調査月報を公表しているが、売上高は全店・既存店はともに12ヶ月連続のマイナスで、引き続きコロナの影響による低迷が続いているようだ。全店ベース(調査月営業中の全店舗を集計)でみると、2月の売上高は7965億円で昨年同月の8491億円と比べ6.2%の減少だ。店舗数は、今年2月が5万5897店で昨年同月の5万5460店より0.8%と微増傾向だ。店舗の減少がなく全店ベースで売上が落ち込んでいるのだから個店レベルでの売上の落ち込みが大きいということになる。
その背景となるものが来客者数の減少だ。全店ベースで見ると今年2月中の来店客数は11億5221万人で、昨年2月の13億3284万人と比べ13.6%と2桁の大きな落ち込みだ。一方、客単価は17ヶ月連続のプラスで、今年2月の客単価は691円で前年同月比8.5%のプラスとなっている。協会では「生鮮食品、惣菜、冷凍食品、デザート、酒類等が好調に推移したこと」を要因として挙げている。
各店舗ともウイズコロナに合わせ商品構成を変えているようだが、商品構成比の変化を既存店売上高ベースで見ると、弁当などの日配食品が35.8%で前年同期比6.9%の減少、カップ麺、冷凍食品などの加工食品が26.4%で同7.0%減、非食品は32.6%で同0.3%減、サービスが5.2%で同14.4%減となっている。サービスは構成比が小さいものの減少幅は大きくなっている。イベントの中止などでチケット販売自体がなくなっているためだ。
コンビニ不振はコロナ前から指摘されており、テレワークの普及等によりコロナ明けでも客足は簡単には戻らないだろうと見込まれている。各チェーンとも戦略の見直しを迫られている。(編集担当:久保田雄城)