金融庁は25日、金融機関に対し飲食・宿泊などの事業者への資金繰りの一層の支援を要請した。
「新型コロナウイルス感染症の影響が2事業年度目を迎える中で、これまでの経済活動の抑制等による事業者への影響の長期化が懸念され、苦境に立たされる事業者を引き続きしっかり支えていくことが重要」としている。
特に「飲食業者・宿泊事業者等については経済活動の抑制により深刻な影響を受けており、事業者のニーズにきめ細かく対応しながら、事業の継続や立て直しができるよう政府も緊急的な金融支援を取りまとめたところであり、金融機関におかれても営業現場の第一線まで浸透させ、組織全体として積極的に取り組むこと。顧客から金融機関等の相談窓口等に寄せられる相談・苦情等を迅速に把握・分析し、顧客対応等に課題が認められる場合には直ちに改善を図るよう」要請した。
具体的には日本政策投資銀行・商工組合中央金庫等において『民間協調融資原則の停止』、 『資本性劣後ローンの金利水準引下げ』『優先株式の配当水準引下げ』『審査期間の短縮』等の施策を講じていくことを踏まえ、飲食業者・宿泊事業者を含む大・中堅事業者等に対して、これらの機関による支援策を積極的に周知し、ニーズに応じた提案を行うこと。
政府系金融機関との連携に限らず、民間金融機関においても能動的に、飲食業者・宿泊事業者をはじめとする事業者ごとの事業・財務状況を十分確認し、顧客のニーズに応じ、再度の条件変更等を含めた柔軟な対応を徹底すること。 特に民間金融機関における実質無利子・無担保融資の据置期間については長期設定が可能である旨を顧客に周知し、ニーズに合った提案を行い、条件変更等に柔軟に対応すること。
2期連続赤字など貸出等の条件になっている財務制限条項に事業者が抵触している場合でも機械的・形式的に取り扱うことなく、経営実態をきめ細かく把握し、直ちに債務償還等を要求することのないよう対応するとともに、コベナンツの変更・猶予に関する事業者からの相談に迅速かつ真摯に対応すること、など相当、事業者に寄り添う対応を要請している。(編集担当:森高龍二)