コロナ禍の小売業、業態毎に明暗。苦境のコンビニと百貨店、スーパーは巣籠り需要等でV字回復

2021年04月15日 06:28

画・コロナ禍の小売業、業態毎に明暗。苦境のコンビニと百貨店、スーパーは巣籠り需要等でV字回復。

経産省が「2020年小売業販売を振り返る」を公表。販売額は前年比3.2%減少。百貨店、コンビニは減少。スーパー、家電、ドラッグストア、ホームセンターは増加。業種・業態別に変動要因を分析。

 新型コロナの影響で経済が停滞しているように見える。しかし、マクロに見ればコロナの影響は業種によりプラスとマイナスで温度差がある。現在の不況は2018年秋からの後退局面の中の不況で、中国経済の回復などを受けて既に製造業を中心に持ち直しの動きが見られる。とはいえコロナの影響で大打撃を受け、未だに回復の見込みもない業種も少なくない現状だ。自粛ムードの中、消費は全般的な停滞が続いているが、小売業でも業種・業態により大きな温度差が見られる。

 4月9日、経済産業省が小売業販売の要因を分析したレポート「2020年小売業販売を振り返る」を公表している。これによれば、20年の小売業全体の販売額は146兆4570億円、前年比では3.2%の減少となっている。最も減少に寄与した業種は各種商品、次いで織物・衣服・身の回り品の順だ。やはりテレワークや外出自粛の影響で衣料品関係の落ち込みが大きいようだ。

 小売業6業態別で見ると、「百貨店」が25.5%の大幅な減少で、「コンビニ」も4.4%の減少となっている。これに対して「スーパー」は3.4%、「家電大型専門店」5.1%、「ドラッグストア」6.6%、「ホームセンター」6.8%、それぞれ増加となっている。小売業全体の減少は「百貨店」の減少の影響が大きく、月別の動向を見ると、20年6月以降は回復傾向にあるものの10%を超える前年同月比マイナスが続いている。「コンビニ」の要因分析では、全ての品目が年間でマイナスだが「ファーストフード・日配食品」、「加工食品」などコンビニの主力商品である食料品の減少が著しい。月別には9月以降「非食品」、「サービス」が増加へ回復しているものの、食品は減少のままだ。

 売上増加となったスーパーでは2月以降、「飲食料品」が大きく伸び続けており、また「家庭用品」もプラスを持続している。スーパーでも「婦人・子供服・用品」などの衣料品関連はマイナスだ。衣料品の各業態での販売額を見ると、「織物・衣服・身の回り品小売業」は前年比16.8%の減少、「百貨店」の衣料品販売額は30.0%減少、「スーパー」でも18.5%の減少となっており、「百貨店」、「スーパー」ともに「婦人・子供服・用品」の減少寄与が大きくなっている。

 この他、「家電大型専門店」では5月以降「生活家電」が好調、「ホームセンター」では「DIY用具・素材」が好調など、品目別ではコロナ禍での外出自粛の影響が強く出ているようだ。(編集担当:久保田雄城)