五輪組織委が看護協会に看護師5百人の協力依頼

2021年04月27日 06:03

 東京五輪・パラリオンピック大会組織委員会の大会運営局メディカルディレクターが日本看護協会会長あてに、大会期間中、競技会場や選手村総合診療所などで原則5日以上協力できる看護師約500人をお願いしたい、と4月9日付けで文書依頼していたことが日本共産党の機関紙「赤旗」が入手した文書とともに報じた。

 それによると25日の電子版によると「参加日数は1人原則5日以上、早朝・深夜を含め1シフト当たり9時間程度、大会前の5月~7月に予定されている役割別研修参加は『必須』としている」と報じている。

 赤旗取材に都内病院に勤務の看護師は名前入りでコメントしており「医療機関はワクチンの接種もしていきます。通常診療とは別に、人手を割いて特別の体制が必要です。そんな中で、海外から多くの選手、関係者が来たらどうなるか。この方たちが発熱したら外国語での対応など大変な作業になり、医療体制はさらに圧迫される」ともっともな指摘。

 そのうえで「私たちの目の前には病気になっている人がいます。『オリンピック成功のため』という理由で、苦しんでいる患者さんの前から看護師がいなくなっていいのか。いまは新型コロナに立ち向かうべき時であり、オリンピックは中止すべき」と訴えている。

 志位和夫委員長はツイッターでこの記事を紹介したうえで「大阪などで医療崩壊が起こり、必死の思いで看護師派遣に取り組んでいる看護協会に、五輪のために看護師を出せと要請するとは」と組織委の認識の甘さを書き込んだうえで「一刻も早く五輪中止の決断を!」と組織委など五輪関係者に英断を求めている。(編集担当:森高龍二)