“住むと泊まるの間”のホテル。レトロ感漂う谷中の町に、新時代のコンセプトホテルが誕生

2021年05月01日 08:56

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人の温かさを感じる町・東京下町の谷中にオープンする、民泊運用型セカンドハウス「YANAKA SOW」。“住むと泊まるの間”とは?

 東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言が出ているため、今年も行楽の話題が少ないゴールデンウィークを迎えた。

 しかし、そんな中でも、新しい常識に柔軟に対応しつつ、暮らしをより豊かにしようとする動きも現れ始めている。その一つが、東京下町の中でもひと際、懐かしい昭和のかおりと人情があふれる町、台東区谷中に新たに誕生する宿泊施設「YANAKA SOW」だ。

 YANAKA SOWは、「カノッサの屈辱」や「料理の鉄人」など、数々の人気番組を生み出してきた放送作家の小山薫堂氏が代表取締役を務めるブランドデザイン会社・オレンジ・アンド・パートナーズと、世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnbがパートナーシップを組んだ初めての共同プロデュース事業で、「ホテル機能」と「民泊運用型賃貸マンション」を兼ね備えた、これまでにない「民泊運用型セカンドハウス」だ。ターゲットは、仕事と生活の両方の利用を想定した長期宿泊者や2拠点居住や移住を検討中の人で、両社曰く「“住むと泊まるの間”を体験するホテル」だという。

 施設には、新型コロナ感染拡大が続く国内において両社がこの1年間で得た知見が活かされており、感染対策などはもちろんのこと、他のホテルとは異なる“住むと泊まるの間”を体験する3つの特徴がある。

 まず一つめの特徴は、1 泊からホテルとして利用できる「STAY plan」と、30日から365日までの長期利用可能な「LIVE plan」の2つのプランが用意されていることだ。全13室のホテルの中で、各々のスタイルに合わせて谷中の町を楽しむことができる。

 二つめは、まるで第二の自宅で過ごすかのような空間デザインだ。洋の洗練されたスタイリッシュさと、谷中の町を凝縮したような、ほっこりとする和の空気感が調和する空間で、共用部には無料で利用できるキッチン・ランドリー・ライブラリー、各客室はキッチンと大型の冷蔵庫など、“住む”ことを想定した設備が整っている。そして三つめは、ホテルにあるはずのフロントデスクがないことだ。チェックイン・アウトは無人で行われる民泊のスタイルなので、気兼ねなく過ごすことができる。その代わりに「YANAKA DIGGER」と呼ばれる町案内専門のスタッフが在席しており、ガイドブックでは分からない町歩きのサポートをしてくれる。

 また、ホテルのオーナーは、初のホテル事業を手がける積水ハウス不動産東京株式会社、運営は株式会社エアトリステイで、設計と施工は積水ハウス株式会社が担当した。賃貸住宅「シャーメゾン」事業での経験と実績を活かした、“住むと泊まるの間”で、より快適に過ごすのための提案が随所に盛り込まれている。

 この時期に新しいホテルがオープンすることに驚く人も多いかもしれない。しかし、この時期だからこそ生まれた新しいタイプのホテルとも言えるのではないだろうか。新型コロナを中心に暗いニュースが続く昨今。新しい可能性に挑戦するYANAKA SOWが、ホテル事業の新しい光となることを期待したい。(編集担当:藤原伊織)