緊急事態条項なくても感染対策に私権制限は可能

2021年05月04日 08:31

 立憲民主党の枝野幸男代表、日本共産党の志位和夫委員長が3日、現在の深刻な新型コロナウイルス感染症の感染拡大に乗じて菅政権や改憲推進派らが『緊急事態条項』を憲法に規定することが必要だと主張していることをそろってけん制した。

 枝野代表は「憲法でも感染防止のために必要な私権制限は公共の福祉にかなうものとして認められている。憲法の制約があるために必要な対策が打てていない訳ではない」と政府自身に問題があることを強調した。

 また志位委員長は「いま変えるべきは憲法ではありません。憲法25条が国の義務とした『公衆衛生』への責任を果たさず、憲法29条が義務とした『正当な補償』を怠り、深刻な感染拡大を招いた菅自公政権こそ変えなければなりません。自らの失政を憲法に転嫁するな!」とツイッター発信した。

 また志位氏は「現在の深刻な感染拡大は憲法に問題があるからでしょうか。断じて違います。憲法を遵守した対策を怠ってきた政治の責任であり、菅政権による人災ではないでしょうか」とも提起。「憲法25条の生存権、29条の財産権、24条の両性の平等―コロナ収束のために、憲法を遵守して政治の責任を果たせ」と訴えた。(編集担当:森高龍二)