コロナ禍、一次産品、産直EC販売が拡大。飲食店不況下での販路開拓、IT化進む

2021年05月04日 08:40

画・コロナ禍、一次産品、産直EC販売が拡大。飲食店不況下での販路開拓、IT化進む。

ポケットマルシェが「産直EC利用実態に関する調査」。コロナ禍で生産者の直販利用が加速、販路拡大ニーズで産直EC利用が拡大

 コロナ禍での飲食店に対する営業制限が続いている。各種支援策により倒産件数は減少しているというものの、営業活動自体は著しく低迷しているところがほとんどであり、飲食店へ食材などを卸す関連業種への打撃も大きいと想像される。

 農・漁業等の生産者と消費者を直接結ぶオンライン産直サービスを運営するポケットマルシェがコロナ禍での自社アプリ利用実態について、4月19日にレポートを公表しているが、これによるとコロナ禍での収入減による販路拡大の一環としてEC販売を活用する生産者が増えているようだ。飲食店の休業等の影響で生産者の販路は縮小し食材の余剰在庫が発生、新たな販路を開拓すべく生産者が直販に取り組みはじめたことで、自社サービスへの登録が増加したとレポートは分析している。

 ポケットマルシェでは、この3月に登録者4984名を対象にアンケート調査を実施、このうち575名から回答を得ているが、この結果、アプリ利用者の平均年齢は48歳で、農業、漁業就業者全体の平均年齢より若くなっている。一方で50歳以上の割合が43%となり、前年2020年3月の調査時と比べ16%増加し、また、平均年齢も44歳と前年調査より4歳高くなっていることから、レポートでは「シニア層の生産者にもネット直販が浸透し始めていることが推測される」としている。

 年間売上規模は1000万円未満の中小生産者が63.4%を占めているが、1000万以上の大規模生産者は36.6%と前年調査から8.5%増加しており「大規模生産者にもネット直販が浸透している」と推測している。

 「コロナ禍で取り組んだこと」を複数回答で聞いた結果では、「国や自治体からの補助金の活用」270名が最多で、次いで「ITを使用した販売」239名、「ITを使用した情報発信」193名と続いており、コロナ禍をきっかけにIT活用が生産者の間に浸透し始めているようだ。回答者のポケットマルシェ利用の売上割合の平均は11%で前回調査より1.5倍に増加している。中でも、魚介類は前年調査の5.3%から13.7%と大幅に増加しており、「コロナ禍で魚価が低迷した影響で漁業者の直販利用が増加した」とレポートは推測している。ポケットマルシェ以外の販路では「自社・個人のウェブサイトSNS」の活用が17.6%と最も多く、「今後の販路として直販を志す傾向が見られる」としている。

 コロナ禍で様々な分野のIT化が進んでいるが、一次産品生産者でもIT化が加速しているようだ。(編集担当:久保田雄城)