トヨタのウーブン・プラネットHD、米国Lyft社のレベル5自動運転部門買収

2021年05月06日 06:10

Toyota Woven Planet

ウーブン・プラネット・グループ4社の東京本社のラウンジオフィスの様子 この拠点に加え、パロ・アルト(米国サンフランシスコ)、ロンドン(英国)へ開発拠点を拡大する

 トヨタ自動車の子会社でソフトウェアを中心にさまざまなモビリティの開発を担っているウーブン・プラネットHD(ホールディングス)は、世界有数の米国配車サービス会社Lyft, Inc.「リフト」の自動運転部門であるLevel 5を約5.5億米ドルで買収したと発表した。

 2021年1月、旧トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメントから移行し、事業を開始したウーブン・プラネットにとって、初めての買収案件だ。

 この買収によって、ウーブン・プラネットと共に研究開発を進めるToyota Research Institute, Inc.(TRI)、そしてLevel 5、それぞれが誇る世界トップクラスの研究者とソフトウェアエンジニアから成る、約1200人の多様で豊かなリソースと能力を持つ「ドリームチーム」が出来上がる。

 ウーブン・プラネットは今回の買収により、以下を強化するとした。

 人材面では、世界トップクラスのエンジニア、研究者、モビリティ・サービスに関する深い専門知識を持つエキスパートから成るグローバルなチームを形成する。

 ターゲットとするテクノロジーは、センシング、コンピューティング、ソフトウェア資産に加え、自動運転システム開発に必要な戦略的能力の強化だ。

 これらをグローバル展開するため、現在ウーブン・プラネットは、本社を置く東京に加え、パロ・アルト(米国サンフランシスコ)、ロンドン(英国)へ開発拠点を拡大する。

 加えて、ウーブン・プラネットとリフトは、リフトのシステムと車両データを活用し、ウーブン・プラネットの開発する自動運転技術の安全性と商用化を加速させる協業にも合意した。

 このような協業と資産の譲渡も含め、ウーブン・プラネットは約5.5億米ドルの買収金額の内、調整後、約2億米ドルを先ず支払い、残りの3.5億米ドルを5年間で支払う予定。今後もウーブン・プラネットは、モビリティの世界に革新的な技術をもたらすことで、ビジョンである「Mobility to Love, Safety to Live」を実現し、世界中の人々に幸せを届ける企業となることを目指す。

 そもそもウーブン・プラネット・グループは、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社の事業を更に拡大、発展させるために、2021年1月、ウーブン・プラネット・ホールディングス、ウーブン・コア、ウーブン・アルファ、ウーブン・キャピタルの新体制のもと事業を開始した組織だ。

 ウーブン・プラネット・グループ4社は、自動運転技術、ロボティクス、スマートシティなどの分野において、新しいイノベーションの創出とパートナーシップの拡充を通して、人々の働き方や暮らしを変えていく。コネクティッド技術に支えられた安全なモビリティにより、地球(プラネット)上の人々に幸せを届け、グループがヴィジョンとして掲げる「Mobility to Love, Safety to Live」を実現するという。(編集担当:吉田恒)