菅義偉総理は26日、菅政権発足から初の国政選挙となった参議院長野選挙区、衆議院北海道2区の補欠選挙、参議院広島選挙区の再選挙で、いずれも野党統一候補が勝利したことに「国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、さらに分析した上で、正すべき点はしっかり正していきたい」と語った。
また「7月末を念頭に、高齢者の皆さんで希望する方全員に2回目のワクチン接種が終えるように、政府としては挙げて取り組んでいきたい」と語った。
菅総理は特に先の参院選挙で自民党公認の河井案里氏と夫の克行氏が優位に戦おうと大量買収事件を引き起こした結果、広島で再選挙の事態になったことについて、記者団に問われ「選挙には自民党総裁として重く受け止めたい。その中で、地域の状況を分析した上で正すべき点は正していきたい」と述べた。
河井夫妻側には先の選挙に自民党本部から1億5000万円が資金提供された。このうち1億2000万円は税金が原資の政党交付金であることが分かっている。この金が買収に使われたのではないか、との疑惑は解明されていない。
菅総理はこの「政治とカネ」の問題に「今、党内の書類は押収されている。党として会計監査人がおり、そうした中でしっかり判断していきたい」と書類が戻ってから監査人が監査しての話とした。
また10月に衆院議員任期が満了になることから解散・総選挙をいつ行うか、今回の選挙結果が解散時期に影響するかに関しては「常日頃から申し上げていますように、コロナ対策を最優先で取り組んでいくという考え方に変わりありません」とだけ答えた。
一方、立憲民主党の枝野幸男代表は今回の選挙結果に「党派立場を越え、幅広い皆さんに感染症対策や金権政治に対しての思いに力を出していただいたことが勝因」と感謝した。そのうえで、次期衆院選に向けては「政権与党と1対1の構造をつくっていくことが重要であることが今回の選挙でも明らかになった。一方、それぞれの経緯、立場を互いにしっかり理解し合いながら、できることを最大限やっていく努力を加速していきたい」と述べ、「1対1」の構図づくりへ最大限努力したい考えをにじませた。(編集担当:森高龍二)