宮内庁の西村泰彦長官は24日の定例記者会見で「天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変心配されている」と語るとともに「(東京五輪・パラリンピック開催が)感染拡大につながらないかを懸念されていると拝察している」とした。
西村長官が五輪開催により新型コロナ感染症が拡大しないよう万全の体制をとるよう、五輪組織委をはじめ政府、都など関係機関に異例の要請を行った格好。
加藤勝信官房長官は宮内庁長官発言に「西村長官自身の考えを述べられたと承知している」などと受け止めるにとどめた。
コロナ対策では五輪参加のため今月19日に来日したウガンダ選手団9人のうち、成田空港の検疫で1人が陽性となり、入国できなかったが、8人は陰性だったため、「濃厚接触者」の判断もないまま、受け入れ先の大阪・泉佐野市へ貸し切りバスで移動。その後、地元保健所が8人を「濃厚接触者」と判断、うち1人が陽性になった。空港では濃厚接触者判断を地元自治体にまかせっきりで、水際対策の甘さが浮き彫りになっている。
今回の問題を含め、組織委などの感染防止対策がどこまで実効性のあるものになっているのか、更なる点検・改善が必要で、安全性が担保できなければ「無観客」「中止」も視野に入れることが求められている。(編集担当:森高龍二)