23日開幕した東京五輪開会式と閉会式の演出を担当した小林賢太郎氏が1998年発売のビデオソフトでユダヤ人大量虐殺を素材にしたコントネタをしていたことから、多様性と調和を基本にする五輪に相容れないばかりか、国際的に許されないとして開幕直前に五輪組織委員会がショーディレクターを解任した。菅義偉総理も「(小林氏の行為に)言語道断」と22日、非難した。
その一方で開会式の演出は予定通りかとの問いに「そこは予定通り行うべきと思う」などと小林氏が加わる演出の使用を否定しなかった。
立憲の蓮舫代表代行は「平和の式典クリエイティブチーム選任は組織委員会の誰が責任を持ち進めてきたのかも明らかに(すべき)。まさか広告代理店に丸投げではないと思いますが、丸投げにしてもその組織の人選、管理能力も問われます」と五輪組織委の相次ぐ不祥事に責任を持って指揮監督していたのはだれか、明確にすべきとする旨をツイッターで発信した。相次ぐ不祥事辞任、解任騒ぎに「五輪組織委は大丈夫か」と危惧する声もある。
ネット上では「言語道断で解任したのであれば、予定通り行うこともまた言語道断でしょう。何のために解任したのか、ちゃんと理解できているのでしょうか」「言語道断と言うなら、そんな人が関わった演出は全て無しにしなければ整合性が取れません。演出は演出なんて詭弁は通用しません。あなたの首だって簡単に飛ぶレベルの問題です」などまさに、整合性の取れない対応に批判が集まっている。
ナチス行為を取り上げた問題では麻生太郎財務大臣が憲法改正を巡る動きの中で「ナチスに学べ」と発言し問題になったが、これに触れ「麻生さんの『ナチスに学べ』はスルーなのに、何十年も前のコントのキリトリは言語道断?」との書き込みもある。
五輪組織委の橋本聖子会長は解任された小林氏のコメントとして「小林氏は当時の自分の愚かな言葉選びが間違いだったということを理解し、反省しています。不快に思われた方々にお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」と謝罪しているとした。(編集担当:森高龍二)