菅政権下で内閣官房機密費のうち領収書が不要の「政策推進費」が全体の93%にのぼることを日本共産党の機関紙赤旗が26日報じた。機密用途に充てるとして使途の内容を明らかにする必要がないため、時の政権に不正流用されている疑惑が付きまとい、たびたび使途開示を巡る訴訟に発展している。
また内閣官房機密費「支出額」は菅政権発足後、毎月8400万円(昨年10月、12月)~9400万円(昨年11月)と9000万円前後になり、年度末の今年3月は1か月に1億8600万円を使っていた。
赤旗は浦野広明税理士のコメントとして「毎年3月に支出が増えている。政策推進費が必要な場面が3月に集中するとでもいうのだろうか」と疑問を投げていることや「官房機密費の予算枠ぎりぎりにつかうというのは、狙ってやらないとできない」と指摘し「目的外支出、私的流用をしている疑いがある」と警鐘を鳴らしていることを報じている。
官房機密費の使途を巡っては民主党政権時代に支払い記録書を作成し、機密性の高いものは25年、それ以外のものは10年経過で公開することを法定することで不正流用を防ごうと「機密費使用にかかる文書作成・公表などに関する法律案」を提出したが、廃案になっている。
最高裁は2018年1月19日、支払先の特定につながらない一部文書(支出額や残高がわかる出納管理簿や政策推進費受払簿など)の開示を認めたが、機密費の原資が税金である以上、不正使用をなくすためにも、官房機密費の情報公開の在り方、透明性を図る議論を国民の知る権利の視点から行うべきだ。(編集担当:森高龍二)