テレワークで生活をアップデート。コロナ禍を、今より快適な暮らしのきっかけに変える

2021年08月15日 10:02

ノマド書斎①

積水ハウスの賃貸住宅シャーメゾンに新設される可動書斎収納「ノマド書斎」。普段は壁面に収納し、必要に応じて展開して「自由な時に、自由な場所で、在宅ワーク」を実現。

 東京商工会議所が6月に取りまとめた、中小企業におけるテレワークの実施状況についてのアンケート調査結果によると、2021年5月の緊急事態宣言下における東京23区内の中小企業のテレワークの実施率は38.4%で、前回緊急事態宣言時に比べ、27.8ポイント減少していることが分かった。従業員数が少なく、企業規模が小さい企業ほど実施率が低い傾向がみられるという。

 テレワーク環境の整備が進んでいなかったり、出社しないできない業務があったりするため、企業としては出社して働いてほしいのが本音というところかもしれない。

 一方、従業員側では様子がガラリと変わる。企業向け人材開発・人材教育プログラムの開発・提供などを行う株式会社ウィル・シードが今年5月にオンライン開催した「日本最大級の新入社員育成フォーラム?リアル&リモートの新入社員研修のいま?」の基調講演に登壇した甲南?学経営学部教授の尾形真実哉氏が興味深い調査結果を発表している。尾形教授は今年2月~3月にかけ、通信、?材、IT、3企業に2020年度に入社した新?社員518名を対象に「リモートワーク時代における2020年度新?社員の実態調査」を実施。その結果によると新入社員の83%がテレワークに「満?している」と回答し、86%が「テレワークを継続したい」と答えているのだ。

 そんな中、コロナ後もテレワークが続く、または増えることを想定し、快適性を高める商品やサービスが注目を集めている。

 例えば、住宅大手の積水ハウスは、同社が展開する賃貸住宅シャーメゾンにおいて、 壁面に収納可能な、可動型のカウンター付収納と固定棚がセットになった「可動書斎収納 ノマド書斎」を新たに発売した。普段は壁面に収納された本体を引き出せば、キャスターで自由に移動させることができ、好きな場所でデスクワークが可能になる。テレワークはオンとオフが切り替えにくいが、「ノマド書斎」を出せば仕事、片づければスッキリとしたプライベート空間を確保できるので、気持ちの切り替えもしやすい。また、仕事だけでなく、ちょっと作業スペースが欲しい時や、趣味の空間としても使い勝手がよさそうだ。

 オフィスチェアの需要も伸びている。自宅で快適にデスクワークを行うためにも、イスは最も重要なアイテムの一つだ。最近では、仕事だけでなく趣味でも自宅でパソコンに向かう時間も増えていることもあり、デザインも豊富で、価格も手ごろなオフィスチェアが増えている。例えば、文房具やオフィス家具でおなじみのコクヨでは、「運動不足が気になる人」には世界初の360°グライディングチェア「ing(イング)」、「リビングにあっても違和感のないもの」を求める人には、カラーバリエーションが豊富な「FABRE(ファブレ)」というように、ニーズに合わせて商品をカテゴライズし、ホームページ上で紹介している。オフィスチェア選びに迷ったら、参考にしてみるといいかもしれない。

 テレワーク環境でもう一つ重要なことは「照明」だ。厚生労働省の「新VDT作業ガイドライン」にも「ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差は なるべく小さくすること」とあるように、室内の照明は快適さだけでなく、目の健康や疲れにも大きく影響する。デスクライトなんてどれも同じと考えてしまうかもしれないが、LEDタイプと蛍光灯タイプの違いをはじめ、照度の調整やアームの可動域、調光や調色など、細かな設定や機能が製品によって随分異なる。ユニークなものでは、アイリスオーヤマから、スマートフォンを置くだけで充電できるQi充電機能を搭載したLEDデスクライト「LDL-QLDL-W」が発売されている。デスク周りがコード類で煩雑になりがちな人は、重宝するのではないだろうか。

 ここで紹介した「ノマド書斎」と、自分に合ったオフィスチェア、目にも優しいデスクライトを組み合わせるだけでも、とても快適なテレワーク環境が構築できそうだ。

 さらに、テレワークが増えることで心配事の一つとなるのが電気代だ。とくに夏場はエアコンなどで電気代がかさむ。デスク周りだけでなく、電気代を抑えることも快適なテレワーク環境の条件だ。

 そこでお勧めしたいのが、電気的に熱を移動させるペルチェ素子(熱電冷却素子)を内蔵したウェアラブルクーラーだ。首元に装着するタイプのソニーの「REON POCKET 2」や京セラの「DNC5000」のように首からぶら下げるタイプなど、様々なメーカーから様々なタイプのものが発売されており、昨年夏も大ヒット商品となっている。部屋に1人だけでデスクワークをする場合などはとくに、少し高めの温度に設定したエアコンと併用してもいいだろう。

 ここに挙げた製品以外でも、テレワークで注目されている商品やサービスは多い。仕事だけでなく、趣味や普段の生活の中で役立つものも多いので、ポストコロナ時代でも重宝するだろう。テレワークをきっかけに、より快適な暮らしにアップデートしてみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)