野党は統一候補で政権選択肢提供の責任を果たせ

2021年08月28日 17:06

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衆議院解散・総選挙が目前に迫っている

 衆議院解散・総選挙が目前に迫っている。自公政権における安倍・菅内閣の総決算を今回の選挙で行うことが必要。自公政権続投か、立憲民主軸の新政権誕生かを選択する「日本政治史に残る選挙」にすることを期待する。

 そのためには野党は「小選挙区」に統一候補を立て、有権者に政権選択肢を提供しなければならない。擁立できていない選挙区への調整を立憲・国民・社民・共産は市民連合とともに急ぐ必要がある。

 接戦エリアなら立憲・共産連携で議席獲得の可能性は高い。そのことは都議選で立憲・共産が連携したことにより「定数1」の武蔵野市、小金井市で立憲が議席を獲得し、「定数2」の文京区、豊島区、日野市で共産が議席を得たことでも実証されている。

 今回の横浜市長選挙では菅義偉総理が異例ともいえる全面支援を行った小此木八郎前国家公安委員長に対し、立憲推薦、共産、社民、緑の党、新社会が支援した山中竹春氏が50万6392票を得て、小此木氏に18万票の差をつけて圧勝した。

 菅内閣のコロナ対策に対する不満やIR事業への反対意思を示すために無党派層も投票所へ足を運んだことも大きく選挙に反映された。8人が立候補する中、無党派層の約4割が山中氏に投票したと各社出口調査で示されていることや投票率が前回に比べ11.84ポイント高くなったことからも、無党派層の投票行動を裏付けている。

 立憲の安住淳国対委員長は共産・社民が山中氏を支援したことなどを念頭に「野党が大きな固まりになれば地滑り的勝利を起こせると立証できた」と評し、共産の志位和夫委員長も「市民と野党の共闘の力が発揮された。総選挙へ、この流れをさらに発展させよう」と発信した。
 
 全国の小選挙区で、有権者が自公VS野党の統一候補の「政権選択肢」を提供されることを期待する。

 例えば、奈良県3区をみると野党統一候補は存在していない。自民党総務会長を務めた田野瀬良太郎元衆議院議員の次男・太道氏(当選3回)が、その地盤と後援会組織を受け継ぎ、自民党公認で議席を不動のものにしている。

 太道氏が緊急事態宣言下で仲間の議員と深夜まで銀座クラブを訪ねていて、文科副大臣を更迭、自民党を離党したのは周知のとおりだ。総選挙に復党して出馬するのか(離党の経緯からすれば、復党は総選挙後でなければ、反省しての離党といえず、筋は通らないが)そこはわからない。田野瀬氏擁護のため、地元の自公は3区で与党統一候補を別途擁立するとは考えにくい。無所属であっても事実上、田野瀬氏が与党候補になるのだろうと推測する。

 一方、野党はどうか、統一候補を立てていない。しかし3区に適任者はいる。筆者の勝手な視点だが、3区出身者では小学・中学年まで奈良県御所市在住だった元文部科学事務次官の前川喜平氏が適任だろう。

 立憲公認で擁立すれば、共産・社民・市民連合も納得して候補1本化が図れるのではないか。

 田野瀬氏との一騎打ちなら、前文部科学副大臣と元文科行政事務方トップとの一騎打ちになる。選挙戦での教育論戦も聞きごたえのあるものになる。確実に無党派層の投票行動にもつながるだろう。前川氏は全国で講演活動をし、教育行政上の課題、安倍・菅内閣の下での教育問題を提示、提起してきた。これを国政の場で発揮する選択肢もあるだろう。(編集担当:森高龍二)