菅政権肝いりの「デジタル庁」が1日発足した。デジタル化による行政サービス向上とともに、政府による個人情報の一元化による弊害が生じないよう、個人情報保護の徹底こそが担保されていなければならない。このためデジタル庁への監視機能を充実させることが求められる。
菅義偉総理は初訓示で「新型コロナ感染症への対応の中、行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れが浮き彫りになりました。思い切ってデジタル化を進めなければ、日本を変えることはできない。これを強力にリードする司令塔が必要である。こうした思いで、デジタル庁の創設を決断した」と語った。
また「行政サービスの電子化の遅れ、バラバラな国と自治体のシステム、マイナンバーカードの利便性の問題など、長年、手が着けられず、先送りにされてきた課題がたくさんある」とした。
そのうえで「デジタル庁には政府関係者に加え、民間で様々な経験をされた方が数多くいる。立場を超えた自由な発想で、スピード感を持ちながら、行政のみならず、我が国全体を作り変えるくらいの気持ちで知恵を絞っていただきたい」と強力に訴えた。
デジタル初代大臣には平井卓也氏、副大臣には藤井比早之氏、政務官には岡下昌平氏が就任した。事務方トップのデジタル監には石倉洋子一橋大学名誉教授が就任した。職員約600人、うち200人は民間からの人材だ。企業在籍のままの兼業もあり、情報漏洩や官民癒着が生じないように、管理徹底する必要がある。(編集担当:森高龍二)