観光業者、GoTo再開を望む8割。時期は年内が7割。一方「再開準備できていない」7割

2021年09月10日 06:16

画・観光業者、GoTo再開を望む8割。時期は年内が7割。一方「再開準備できていない」7割。

movが「国内観光およびその先のインバウンド事業」について意識調査。GoToトラベルやGoToイートなど再開を希望する業者は80.5%。

 コロナ禍の長期化で企業の経営体力も限界に近づいている。自粛ムードに加え相次ぐ宣言の発出やまん防措置で飲食、宿泊、アパレル、旅客交通などの業種を中心にコロナ関連倒産は全国に広がりを見せている。中でも観光関連業はパンデミック発生当初からインバウンド需要喪失や移動制限の影響で顧客を奪われ、未だ業績回復の見通しが全く立たない状態だ。

 インバウンド関連サイト「訪日ラボ」を運営する株式会社movが自社の配信する訪日情報メールマガジンの購読者123名を対象に「国内観光およびその先のインバウンド事業について意識調査」を8月中旬に実施、その集計結果を9月6日に公表している。これによれば、「GoToトラベルやGoToイートなどの再開を希望するか」という質問に対して「希望する」との回答は60.2%、「どちらかというと希望する」が20.3%となっており、合計80.5%がGoTo再開を希望している。ただし、再開に関する自由コメントを見ると、「地方の観光産業は悲惨な状況。早急な対応が必要」、「観光業振興のため早い段階で再開すべき」など早急な再開を望む声がある一方で、「中途半端なことをすると、第6波に襲われ、今以上に悲惨な状況に」、「ワクチン接種が完全に終了してからの実施にして欲しい」など再開時期については感染状況や持続性を考慮した慎重な意見も見られる。

 「再開時期はいつごろが望ましいか」との問いには、「今すぐ」が7.1%、「秋の行楽シーズン(2021年9月〜10月ごろから)」37.4%、「冬シーズン・年末年始(2021年12月〜1月ごろから)」26.3%、「2022年以降」29.3%となっており、70.8%が年内の再開を望んでいる一方で3割は来年以降と慎重だ。経営体力が限界に近づいている中で早い再開を望んでいる者が多数派だが、一方、感染再燃によるコロナ禍長期化を懸念し慎重な者も少なくない。

 「GoTo再開に向けた準備はできているか」という質問に対しては、「準備している」が33.9%、「準備できていない」66.1%と現況では再開に向けた具体的取り組みに着手しているのは3分の1だ。「外国人観光客(インバウンド)に戻ってきて欲しいか」に対しては「戻ってきてほしい」が81.0%、「どちらかというと」16.5%、合計97.5%とほぼ全員がインバウンド需要の回復を望んでいる。ワクチン効果と医療体制整備による早期の経済正常化が望まれる。(編集担当:久保田雄城)