積水ハウス 増収増益で成長軌道、通期業績見通しを上方修正

2021年09月12日 08:32

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積水ハウスが2021年2-7月期(第2四半期/中間期)決算を発表した

 9月9日、積水ハウスが2021年2-7月期(第2四半期/中間期)決算を発表した。前年度下半期からの住宅受注の順調な回復にも支えられて増収増益を確保。通期の業績と期末配当の見通しを上方修正した。

■受注は引き続き好調。生活様式の変化への提案も奏功

 2021年2-7月期の売上高は前年同期比4.8%増の1兆2236億円で、中間期としては過去最高を更新した。営業利益は18.4%増の1096億円、経常利益は22.8%増の1113億円、四半期純利益は22.1%増の725億円と、利益を大幅に伸ばした。期末配当予想は期初の43円を2円上方修正し、年間配当予想は前期を4円上回る88円で、10期連続の増配になる。

 セグメント別にみると、「請負型」の戸建住宅事業は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)「グリーンファースト ゼロ」や、コロナ禍で在宅時間が増えるなかで生活様式の変化に対応した「ファミリー スイート おうちプレミアム」、次世代室内環境システム「スマート イクス」などの提案が奏功し、受注高、売上高、営業利益とも好調。賃貸住宅はシャーメゾンZEHや法人向け販売が伸びた。戸建住宅事業の売上高は前年同期比6.1%増で、賃貸住宅事業は3.8%増。しかし前年同期に大型物件の売上計上で好調だった建築・土木事業の14.4%の減収が影響し、全体では1.4%の減収となった。

 省エネ等の提案を積極的に行った「ストック型」のリフォーム事業は前期下半期から受注が好調で、売上高15.6%増。不動産フィー事業も入居率、賃料が高水準を維持して5.2%増と堅調で、全体では7.3%増だった。

 「開発型」は営業体制を強化した分譲住宅事業が売上高37.3%増と大きく伸びている。一方でマンション事業は3.7%の減収。都市再開発事業は11.3%増。国際事業は6.4%増だった。

 主力の請負型の営業利益率は前年同期と比べて、戸建住宅事業は9.5%から12.2%へ、賃貸住宅事業は12.4%から14.1%へ、それぞれ拡大した。営業利益では請負型の戸建住宅事業の36.5%増、ストック型のリフォーム事業の35.4%増、開発型の分譲住宅事業の88.9%増が突出。請負型の賃貸住宅事業の18.5%増、ストック型の不動産フィー事業の16.9%増、国際事業の16.2%増も2ケタ増益を記録している。一方で開発型は計画通りだが、都市再開発事業の61.8%減益が響き14.4%の減益だった。

 受注は、請負型の戸建住宅事業が15.4%増、賃貸住宅事業が7.9%増と前期下半期から引き続いて堅調に増加。ストック型のリフォーム事業も21.8%増と急回復をみせている。開発型は分譲住宅事業が52.4%増と、主力事業の好調さが目立った。

■在宅時間の増加で住宅への関心は高いとみている

 積水ハウスは2-7月期の決算発表と同時に、2022年1月期の通期業績見通しを上方修正している。売上高は前期比4.3%増の2兆5530億円、営業利益は18.0%増の2200億円、経常利益は18.0%増の2180億円、当期純利益は19.8%増の1480億円と売上・利益ともに過去最高を見込んでいる。

 セグメント別では、売上高は戸建住宅事業が6.4%増、賃貸住宅事業6.5%増、リフォーム事業14.8%増、分譲住宅事業23.6%増、マンション事業18.0%増を見込む。営業利益では1棟あたりの単価が上昇して利益率が改善する「請負型」の戸建住宅事業が27.2%増、賃貸住宅事業が16.9%増と大きく伸び、リフォーム事業は31.8%増、分譲住宅事業は64.8%増の見通しだ。これらの4事業は受注高でも2ケタ増を見込んでおり、積水ハウスは在宅時間の増加により、住宅への生活者の関心は依然高いとみている。

 2022年1月期は、第5次中期経営計画(2020~2022年度)の中間年度。最終年度2023年1月期の計画は売上高2兆7000億円、営業利益2200億円だが、営業利益は1年前倒しで達成される見通しで、来期の業績にも期待できそうだ。