八代氏が再謝罪 志位氏「訂正と受け止めます」

2021年09月21日 06:26

 今月10日のTBS番組「ひるおび」で、立憲・共産・社民・れいわの4党が総選挙での共通政策に合意したことに関し「共産党はまだ暴力的な革命を党の要綱(綱領)として廃止していませんから」と事実に反した発言のうえ、「よくそういうところと組もうって話になるな」と共通政策に合意した他の3党をも貶める発言を公然と行ったことへの批判を受けた八代英輝弁護士は13日、バランスを欠いた発言だった旨を語り、謝罪したが、安倍内閣での閣議決定を根拠に弁明し、綱領に載っていないことへ訂正をしなかったことから、さらに批判が拡大。この事態に17日、再び番組内で八代弁護士は謝罪し「綱領には記載は存しません」と修正した。

 八代氏は「現在の共産党の党綱領にはそのような記載はないと多くのご批判を頂きました。ご指摘の通り、現在の綱領にはそのような記載は存しません。選挙を間近に控えたデリケートなこの時期に、私の発言により、多くの関係者の皆様方に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申しあげます」と頭を下げて再謝罪した。

 八代氏は番組に出演していた立憲民主党の江田憲司代表代行(衆院議員)に対しても「(総選挙で共産党と)共闘を模索する立憲民主党の江田代表代行にも、この場をお借りして深くお詫び申し上げる次第でございます」と詫びた。日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで八代氏が「謝罪・訂正したものと受け止めます」と投稿した。

 ただ、ネット上では八代弁護士が謝罪の中で「現在の綱領には」と2度にわたり発言したことから「過去にはあったと言っていることになる。その文献を出させないといけない」「現在の綱領と現在の、を繰り返している点、悪質 まるで『ついこの間まではあった』かのような言い草だ だったらいつまでそんな文言があったのかちゃんと説明すべきだ」との投稿がある。

 一方で「1951年に党としての武装闘争方針を出したが、58年にそれを否定。7年間存在した方針を、今なお疑う公安調査庁の立場にのっとって、63年前に放棄された方針が、今なおあるかのようなデマを流したということですね」との投稿もある。

 日本共産党は「日本共産党の正規の機関が武装闘争や暴力革命などの方針を決めたことは一度もない」と断言。日本共産党の綱領は「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」と明記し、憲法遵守を明確にしている。

 志位和夫委員長は「公安調査庁は68年間にわたって、わが党に対する不当な調査を行いながら、『破壊活動の証拠』なるものを一つもみつけることができなかった。 公安調査庁は、皮肉なことに、日本共産党が『暴力革命』とは無縁であり、平和主義の党であることを、証明してくれたことになる」とツイッター発信している。八代氏発言は今回の謝罪・訂正で決着したもよう。(編集担当:森高龍二)