米国に訂正まで求める必要はない 官房長官

2011年11月16日 11:00

 藤村修官房長官は15日の記者会見で、日米首脳会談で野田総理がTPP交渉参加に向けて関係国と協議に入るとしたさいに「すべての物品及びサービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせると語った」とするアメリカ側発表について、「アメリカ政府に説明を求めたところ、日本側がこれまでに表明した基本方針や対外説明を踏まえて、アメリカ側において解釈したものであったとの説明があった」とし、野田総理が発言していないとしていることが事実であることを裏付けた。

 一方で、藤村官房長官は「アメリカ側発表資料の発表箇所は、総理の発言そのものを引用しているものでなく、訂正までは求める必要はないと考えている」として訂正を求めない考えを示した。

 アメリカ側が日本はすべての物品及びサービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせると認識している表れと受け取れる中で、藤村官房長官は「アメリカ側はアメリカ側の判断であろうと思う」と述べるにとどまり、日本政府として即座に修正していく姿勢を示さなかった。

 この日の参議院予算委員会では自民党の山本一太議員が「相手が正式に発表した資料を訂正しなければ事実になるのではないか」とアメリカ側に報道資料の訂正を求めるよう政府に求めたが野田総理は「首脳会談で発言はなかったと認めている」として、その考えのない旨、示した。(編集担当:福角忠夫)