建設工事受注動態統計書き換えの真相は?告発も

2021年12月30日 06:07

 金子恭之総務大臣は28日の記者会見でGDP(国民総生産)に関係する基幹統計「建設工事受注動態統計調査」が二重計上や書き換えられてきた問題について「国土交通省の検証委員会とともに、統計の専門家による第三者委員会である統計委員会において、専門的な知見による経緯や原因の徹底的な検証を行っていただき、それに基づく再発防止策を確実に実行し、政府統計に対する信頼確保に向けてしっかりと取り組んでいく」と語った。

 第2次安倍内閣発足の翌年(2013年)4月から繰り返し書き換えが行われていた経緯から、アベノミクス効果を粉飾する狙いがあったのではないか、との疑惑も言われている。

 建設工事受注動態統計は国の経済政策の判断材料になっているGDP算出などに使われる基幹統計のひとつで、統計の正確さが欠かせない。再発防止は当然だが、なぜ、こうした改ざんが起きることとなったのか、安倍政権下では公文書の改ざん・隠ぺい・破棄が相次いで行われてきただけに、司法の場でも原因の真相解明を求める声がある。

 書き換えを巡って市民団体は27日、当時の安倍晋三総理、次いで菅義偉前総理と国交省担当者が改ざんに関与したとして、統計法違反で東京地検特捜部に告発した。(編集担当:森高龍二)