民主党の細野豪志幹事長は25日夕の記者会見でTPP交渉参加への対応について「民主党はFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)という大きな方向性の中でTPPを含め、経済連携協定を推進していく。その際、政府が判断するということにしてきた」と政府の責任において対応していく性質のものであるとの判断を示したうえで「同時に日本の農業や食の安全、国民皆保険などを守るということで来たので、この方針は堅持することになる」として、民主党としては経済連携協定を推進する中で、守るべきものは守るという野田政権時代の姿勢と基本的に変わらないとの考えを示した。
また安倍晋三総理が「日米首脳会談でTPP交渉参加について、聖域なき関税撤廃ではないことを確認した」との発言に対して「内容を確認し、民主党としてしっかり対応していくことが必要だ」と述べた。
ただ、細野幹事長は「『聖域なき』ということについては昨年4月10日に玄葉外務大臣がカーク米国通商代表と会ったときの記録でも『物品の関税の最終的な取り扱いについてはTPP交渉プロセスの中で決まっていくものである』という確認をしている」とし「交渉の中でいろいろな判断がありうるということをその時点で確認しているので、それとまったく同じことを今回米側が表明したにすぎない。何か新しいことを発見して物事を決断したかのように演出するのは正直言って違和感がある。これまでと同じ話だから」と語り、米国のTPPに関する姿勢が安倍総理の訪米で変わったわけではないことを強調した。
この日の記者会見では細野幹事長は、さきに植松恵美子参議院議員と川崎稔参議院議員から出されていた離党届について、役員会で受理する判断を行ったとした。
細野幹事長は「これまでの離党届の扱いなどを参考にすると受理せざるを得ないと判断した」とし、24日の党大会で党の再生を誓い、政権奪還へ一致結束しようとスタートしたばかりの中での離党に残念な思いを隠さなかった。(編集担当:森高龍二)