松野博一官房長官は4日開いた国家安全保障会議4大臣会合で、ウクライナ政府からの要請を踏まえ、自衛隊法や防衛装備移転3原則の範囲内で、非殺傷物資の提供を検討すると発表した。
提供物資は防弾チョッキ・鉄帽(ヘルメット)・防寒服・天幕・カメラのほか、衛生資材・非常用糧食・発電機で、自衛隊機等により提供することを検討する。
松野官房長官は「至急、関係省庁で調整、検討する。その過程で与党ともしっかりと相談していく」と語った。
岸信夫防衛大臣は国家安全保障会議4大臣会合の方針を受け、自衛隊の部隊等に対し、速やかに装備品等と輸送できる態勢を確立する準備を指示した。防衛省は指示の下で最大限の支援を行っていくとしている。
岸大臣は「わが国は自衛隊法第116条の3や防衛装備移転3原則の範囲内で、国際的な平和及び安全の維持に資するものをウクライナ側に提供することにつき、調整・検討を行うこととした。防衛装備移転3原則で移転を禁止している紛争当事国は『武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国連安保理がとっている措置の対象国』であり、ウクライナはこれに該当しないと考えている」と防衛装備移転3原則で移転禁止している紛争当事国に当たらないとの認識を示した。
また岸大臣は「防弾チョッキ・鉄帽(ヘルメット)・防寒服等、これらの提供はウクライナ人の命を守るもので、国際的な紛争の拡大を助長するものではない」とした。一方で「殺傷能力のある武器は提供できない」と語った。(編集担当:森高龍二)