松野博一官房長官は11日の記者会見で、日本政府としてウクライナへの緊急人道支援を決定した。2月27日に岸田文雄総理が表明した1億ドルの緊急人道支援の具体化だ、と説明した。
松野官房長官は「ロシア軍はウクライナ各地で激しい攻撃を続けており、学校、病院、住宅等も攻撃。多数の民間人に死傷者が発生している」と現地状況を深刻に受け止めている旨を伝えた。
また「ウクライナから200万人を超える市民が第三国に避難している。このような状況を我が国としても深刻に懸念している」と語った。
そのうえで「ウクライナ国内で影響を受けている人々、周辺国に避難している人々に対する緊急人道支援の実施を決定した。国連等からの支援要請を踏まえ、現地で活動する国際機関及び日本のNGOと調整を行った結果、一時的避難施設、保健・医療、水・衛生、食料、子どもの保健といった緊急性の高い分野で人道支援を行うものだ」と説明。
松野官房長官は「日本政府と日本国民の心はウクライナと共にある。日本は引き続きG7を始めとする国際社会と連携し、ウクライナの人々に寄り添った支援を実施していく」考えを述べた。
一方、岸信夫防衛大臣は同日午前の記者会見で「航空自衛隊のKC-767がウクライナ近隣国の空港に着陸し、その後、防弾チョッキ、鉄帽(ヘルメット)をウクライナ政府に渡した。KC-767は既に日本への帰路に就いている」と発表した。
また「C-2も防弾チョッキ、鉄帽を搭載後、美保基地を離陸し、ウクライナ近隣国へと向かっている」と発表。そのうえで「迅速な物資輸送を可能としたのは本件に関わった全ての自衛隊員や政府職員、ウクライナ等関係国職員の昼夜を問わない献身と努力であり、深い敬意を表します」と謝意を述べた。
岸大臣は「我々は引き続きウクライナのためにできる限りの支援を行っていく。今回引き渡された防弾チョッキと鉄帽が粘り強く侵略に抵抗するウクライナの人々の命を護る一助となってくれることを強く願っている」とエールを送った。(編集担当:森高龍二)